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海鳴り〈上〉 (文春文庫)

海鳴り〈上〉 (文春文庫)
By 藤沢 周平

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  • 発売日: 1987-10
  • 版型: 文庫
  • 315 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
心通じぬ妻、跡取り息子の放蕩、闇のように冷える家。あとの半生は老い朽ちるだけなのか。老いゆく日々の、あてどない男のこころ

内容(「BOOK」データベースより)
はじめて白髪を見つけたのは、いくつのときだったろう。骨身をけずり、果てにむかえた四十の坂。残された日々は、ただ老い朽ちてゆくばかりなのか。…家は闇のように冷えている。心通じぬ妻と、放蕩息子の跡取りと。紙商・小野屋新兵衛は、やがて、薄幸の人妻丸子屋のおかみおこうに、果せぬ想いをよせてゆく。世話物の名品。


カスタマーレビュー

こういう結末しかなかったか5
人生が今よりもっと短い時代の、40代はもうそこに人生の終焉がみえる。
そんな思いの主人公は、髪に白いものを見つけ、体の衰え気力の萎えを感じながら、一代で髪問屋を築き、それなりの充実感を味わっている。。。
はずなのに。

うまくはいかないもんだなぁ。人生というのは。
順調そうな商売も、老舗大手にさまざまな圧力を加えられ。
うちでは家庭には、すきま風。放蕩息子には泣かされ、すきま風が吹いている。

そんな主人公の、商売と、家庭と、そして初めて得た二人といない愛しい人との出会い、のドラマ。
これらが錯綜とし、武士の出ない時代物で、かつなかなかスリリングでドラマティックです。

一気に読んでしまいますね。
ただ、いわば何もかもがうまく落ち着いて、あげくの選択肢は、こうだったか。
最後の結末は、確かにこれしかないのかもしれないけど。。。
そうだよなぁ。
ある意味これはまっことハッピーエンドとも言えるが、果たしてこういう結末しかなかった。のかな。
この結末の、あとの世界も、また、一つの小説になるな。

面白くも、また、後々に引く話でもありました。

リアルな?中年の恋5
町人物の一冊です。
主人公新兵衛の夫婦仲の悪さがリアルというか、
自分の経験とオーバーラップしてしまいました。

現実にはおこうさんのような女性はなかなか現れませんがね。
ま、そこが小説の楽しみであります。
おこうと新兵衛が不倫に落ちていく描写も露骨でなくとも興奮させます。

紙問屋の商売の競争に関する部分も、スリリングです。

家庭に問題を抱え、商売に打ち込んでいる男性は必読!泣かせます。

不倫小説の一言でかたづけるには、中身が濃すぎ。5
不倫小説ではあるけれど、不倫小説の一言で片づけてしまったら、作者に対して失礼。
友情、子育て、夫婦愛、商売のしかた、同業や世間との接し方、お金の使い方、幸福
とはなど、いろいろなものが詰まっています。主人公とは、ほぼ同じ年齢。不惑と言
われる40代ながら、迷いだらけの自分の現実を考えた時、身につまされると同時に
少し気が楽になりました。というのは、自分では、幸福でないと思っているようなあ
たりまえな事でも十分幸福なんだよということが、描かれているからです。たとえば、
まがりなりにも女房子供を飢えさせずに暮らしてこれたというような事など。ただ、
男というのは、それだけでは飽き足らないのは、いつの世でも同じですね。
 不倫が描かれていなかったら、多少、説教くさいあまりおもしろくない、小説にな
ったと思います。作者の作品はいろいろ読みよみましたが、一番よかったです。
当初の予定が変更となった結末にも救われます。書き進むうちに作者に主人公の情
がうつったそうです。特に家庭に問題をかかえる自営業の方にお勧めです。