闇の梯子 (文春文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #52527 / 本
- 発売日: 1987-02
- 版型: 文庫
- 290 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
この作家初期の秀作短篇五篇。黒地の人生絵図として読者に鮮烈に印象づけられている市井物語。その頂点をなす表題作をはじめ「父と呼べ」「入墨」などを収録する
内容(「BOOK」データベースより)
漆黒の闇に明滅するひそやかな人生絵図。藤沢作品初期の短篇を彩るその独自の色調は読者を魅了してやまない。酔いどれの叩き大工の哀歓をえがく「父と呼べ」、島送りの過去をもつだんまり老人と娘とのほのかな交流をえがく「入墨」、そして闇の世渡りに背を押されるように墜ちてゆく男たちの宿命をえがく表題作ほか二篇を収録。
カスタマーレビュー
入墨
闇の梯子は、やくざ者になってしまった兄のことを心のどこかで気にしながら、生きている職人が主人公です。知り合いの職人が兄と似ているどうしようもない男であると気づくのですが、その横顔に寂しさと空しさの影を見出し、そこに兄への愛情に似た感情を覚え、男は金を貸してしまいます。そして、家庭は女房の病によって暗いものになり、自分自身もいつしか危険な仕事に手を出し始めます。そのときにふっと部屋の脇を見ると、そこには兄と知り合いが降りていった梯子が見えるような気がする。そんなお話です。やくざ者にまとわりつく寂しさと空しさの影、また人生のどうしようもない因果について考えさせられる作品だと思います。
入墨は色々な短編集に組み込まれている話で、これも心に残ります。昔自分を捨てた父が戻ってくるが、最後の最後までほとんど口をききません。だから、何を考えているかはわからないのですが、それでも最後の最後で父親の気持ちの欠片が見えるような…。言葉がないからこそ気持ちが見えることもがあるのだろうなと思いました。
市井ものもいいが、やはり武家ものは絶品!
■「父と呼べ」:
貧しき父・子の父が、盗みを働き島送りなる。残った幼子を、子のない老夫婦が養う。口をきかぬ子が「父(チャン)」と呼ぶようになった途端、母と名乗る女が現われ・・・・
非常に悲しい話である。最後泣けます。
■「闇の梯子」:
似合いの若夫婦が、妻の病が発端で闇に落ちていく・・
藤沢作品には珍しい「結末のない小説」は、非常に悲しい。読み終わった後、かなり暗くなります。覚悟のほどを
■「入墨」:
これは、別の短編集に入っていた作品。人情ものだが最後非常に清清しい。
娘を売った悪い親も、最後は娘二人の為に老いた刀を振るう。気持ちが良いい。
小説の最後はこうでなきゃ!
■ 「相模守は無害」:
藤沢作品の、「市井の人情もの」もいいが、やはり「侍もの」は絶品!
城に忍び入り、寝ている殿の口をふさいで一言。この言葉に拙者痺れた。
「よくも公儀隠密をおなぶりなされた」
実に気持ちが良い!すっきり!!
■「紅の記憶」:
非常に良く出来た作品である。面白い!侍の心に隠した喜・怒・哀・楽が何とも哀しいが心地よい。
長男とは、生まれた時から全てにおいて差別される「武家の次男坊」は、肩身が狭い。夢は美人の独り娘の婿だが話が来たのは・・・。しかし、一旦婿の話しが決まった限りは、婚姻が整わなくとも既に妻と義父。その仇を討つ。200石の婿になり損ねた「剣の立つ次男坊」が暴れる!
武家の家の小さな妹:登和ちゃんと主人公の次兄とのやり取りが非常に面白くほほえましい。また、当時の武家の子としての躾も伺える。ひとり娘との婿の話、敵討ち、次男のやんちゃぶり、長男の狼狽振り等面白み満載!
*前半の2作は暗く悲しいが、残りの3作は痛快である。
表題作以外も良い
藤沢周平氏の初期の作品を集めた短編集との事なので、イメージ的に重く暗い感じの作品ばかりが収録されているのではと思っていましたが、闇の梯子以外の作品はその様な雰囲気では無く、所謂市井の人情物であったり、藤沢作品お馴染みの海坂藩が登場する「相模守は無害」やストーリー全体のイメージから、平四郎活人剣や用心棒日月抄と自分は少しダブらせて読み進めた「紅の記憶」など、後々の藤沢作品の原点の様な作品群ではないかと感じました。まだ藤沢作品を読んだ事が無いとゆう方はこの短編集から始めてみるのも良いかと思います。




