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闇を裂く道 (文春文庫)

闇を裂く道 (文春文庫)
By 吉村 昭

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  • 発売日: 1990-07
  • 版型: 文庫
  • 430 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
大正七年から完成まで十六年の歳月を費した世紀の難工事・丹那トンネル。その土と水と人との熱くすさまじい闘いを描いた力作長篇

内容(「BOOK」データベースより)
丹那トンネルは大正7(1918)年に着工されたが、完成までになんと16年もの歳月を要した。けわしい断層地帯を横切るために、土塊の崩落、凄まじい湧水などこに阻まれ多くの人命を失い、環境を著しく損うという当初の予定をはるかに上まわる難工事となった。人間と土や水との熱く長い闘いを描いた力作長篇小説。


カスタマーレビュー

たんなトンネルの掘削工事の模様とそのトンネルの上にあった村、そして地震のお話です5
非常に面白い作品です。大正から昭和の初期にかけたたんなトンネルの難工事の模様とそのトンネルの上に位置した村の悲劇、そしてトンネル工事中に起きた伊豆大地震の模様がリアルに描かれているお話です。地震、土木、時代背景に興味のある方必見です。

人間と自然との共存5
新幹線で東京から西に進み、熱海を越えた付近で長いトンネルに入ります。これが新丹那トンネルで、これに並行して掘られているのが東海道本線の丹那トンネルです。「箱根の山は天下の剣」と称されるように、この付近には高い山が連なり防衛上は絶好の地形ですが、交通の観点から言えば非常に難所です。そのためこのトンネルが開通する前は鉄道がこの山々を越えるのに非常に時間を要し、また効率も悪かったようです。そのためこのトンネルが掘られ、それによって日本の交通網が格段に整備されるわけですが、そこに払われた犠牲は並大抵のものではありません。元々当時の予算770万円で7年で開通する予定が、倍以上の16年、2,600万円もの時間と金を要し、67名もの犠牲者を出しています。またトンネル工事のために地下水が枯れてしまい周辺の村々は水を求めて大規模な住民運動が起こります。大正から昭和への時代の移り変わりと、刻々と迫る戦争の影。そんな社会情勢のなか丹那トンネルは試行錯誤を繰り返しながら進んでいきます。自然の大きさ、恐ろしさを随所に感じることの出来る大変面白く且つ非常に考えさせられる小説です。

巨大プロジェクトと生活再建のあり方5
崩落でトンネル内に取り残された人を救出したとか断層帯にあたったってのは有名な話だけど
トンネルの上の集落で水がかれ争乱となってしまったってのは初めて知った
鉄道省の支援のもとトンネル内の湧水を灌漑用水にするなど水田を維持しようとするが
最終的には小規模に行われていた酪農に注力するようになったという
大規模プロジェクトと周辺の住民の生活再建のあり方としての示唆に富む