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天と地と 下 (文春文庫)

天と地と 下 (文春文庫)
By 海音寺潮五郎

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  • 発売日: 2004-03-12
  • 版型: 文庫
  • 470 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
海音寺文学不朽の代表作が文春文庫に遂に登場!
戦国史上最も戦巧者であり、いまなお語り継がれる武将・上杉謙信の半生と武田信玄との川中島合戦の死闘を活写した大河歴史小説!!

内容(「BOOK」データベースより)
領土拡張に積極的な武田晴信と北信・川中島で闘った景虎は初めて敗れた。雪辱に燃える景虎の許へ房州の里見氏から北条氏康の横暴の訴えが届く。小田原城を包囲した景虎は関東管領に就任し、上杉の家督も譲られ上杉政虎と名を改めた。そして永禄四年(1561)に、上杉・武田両軍は雌雄を決すべく川中島で一大血戦を企てることに。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
海音寺 潮五郎
明治34(1901)年、鹿児島県に生れる。国学院大学を卒業後、指宿や京都で中学校教師を務めるかたわら創作にはげむ。「サンデー毎日」大衆文芸賞受賞を機に、執筆生活に入る。昭和11年、『天正女合戦』で第3回直木賞を受賞し、文名を不動のものとした。和漢の書にあまねく通じ、綿密な時代考証の上に、独自の史観を展開し、小説に随筆に新たな領域を拓き、多くの著作を残した。昭和52年12月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

謙信の人間的成長4
楽しめる作品です。
著者もあとがきで仰っていることですがテーマは『謙信を通して描く人間の成長』です。
フィクションも交えつつ謙信に対となる人物がその都度又は重複して多数登場し、『いかに謙信の人格が形成されていったか』『どのように謙信の人格に影響を及ぼしたのか』が丁寧且つ解りやすく描かれています。

物語の推移(上・中・下)としては「謙信の父・為景の越後守護代時代〜川中島第四次決戦」までなので読まれる方によっては物足りなさを感じてしまうこともあるでしょう。(謙信と改名する前の政虎の時点で終了します。)
とは言え謙信に対となる代表的人物の武田信玄は勿論のこと兄の晴景、柿崎景家以下各部将との対比は興味深く飽きさせないものがあります。
本書で展開される謙信は実に潔癖で男性的な気概に溢れ、権威主義の理想家であり逆を言えば子供っぽく短気で涙もろい、頼まれると断れないお人好しといったところでしょう。

歴史小説としては幾分物足りなさは否めませんし、著者も謙信贔屓ですので賛否は分かれるところでしょうが、人間の成長という観点からすると大変興味深く人を選ばない作品であると思います。
個人的には新田次郎氏の『武田信玄』も合わせて読むとより一層楽しめるのではないかと思います。
年月を経ても色褪せることない、お勧めの良書です。

長尾景虎は成長し,上杉謙信となる!5
景虎は兄晴景を倒し名実共に越後の国主となると,崩壊しつつある足利幕府を支えるべく京都に向かう.また父為景が志半ばで非業の死を遂げた越中をも押さえ,さらには関東管領職として小田原北条家へ兵を向ける.そして,度重なる武田信玄の信濃侵攻に対し,乾坤一擲の勝負に挑む!全ては義理を重んじ秩序を回復するためであり,その考えを揺らぐこと無く生き抜こうとするが・・・.
上巻は父為景,中巻は兄晴景,そして下巻では武田信玄との対比の中で成長してゆく景虎を描く.戦国武将最強と言われた軍神としてではなく,人間としての謙信をみることができるクライマックスには感動を覚える.長編ではあるが作者自らが謙信好きと述べているだけあって,謙信ファンには読んでいてたまらなく面白い.泉下の海音寺潮五郎氏に続編を書いて欲しくなる.

武田信玄との対比4
 下巻では中巻の後半で出始め武田信玄(晴信)が本格的に登場してきます。

 作者の別著「武将列伝」で武田信玄のことを調べているうちに、ライバルの上杉謙信に興味を持ち、書きたかったが書けなかった経緯もあるのか、二人の対比が多いように思います。謙信の「理想主義」に対して信玄の「現実主義」など見ていると面白いです。また、自分にあてはめて考えてみると「どっちだろう?」と考えさせられます。

 本書を読んで武田信玄にも興味をもったので、新田次郎の「武田信玄」も読んでみ要と思います。