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松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫)

松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫)
By 松本 清張

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  • 発売日: 2004-11
  • 版型: 文庫
  • 541 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
清張ファンを自認する宮部みゆきが巨匠の傑作短篇を選びに選び、全てに解説を付けた。上巻はミステリ・デビュー作「恐喝者」の他、宮部いち押しの名作「一年半待て」「地方紙を買う女」「理外の理」や、「或る『小倉日記』伝」「削除の復元」の鴎外もの、斬新なアイデアで書かれた「捜査圏外の条件」、画壇の裏面を描く「真贋の森」等を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松本 清張
1909年福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。67年吉川英治文学賞、70年菊池寛賞、90年朝日賞受賞。92年死去

宮部 みゆき
1960年生れ、東京・深川育ち。「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞。「魔術はささやく」で日本推理サスペンス大賞、「龍は眠る」で日本推理作家協会賞、「本所深川ふしぎ草紙」で吉川英治文学新人賞、「火車」で山本周五郎賞、「蒲生邸事件」で日本SF大賞を受賞。「理由」で第120回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

宮部さんの前口上に導かれて、清張ワールドに触れていく楽しみ。堪えられません!5
 第一章【巨匠の出発点】には「或る『小倉日記』伝」と「恐喝者」が、第二章【マイ・フェイバリット】には「一年半待て」「地方紙を買う女」「理外の理」「削除の復元」が、第三章【歌が聴こえる、絵が見える】には「捜査圏外の条件」と「真贋の森」の各短編が収められています。
 このなかでは、今回初めて読んだ「削除の復元」が一番の収穫でした。「或る『小倉日記』伝」と同じく、小倉時代の森鴎外に焦点を当てた作品。鴎外の小倉日記に隠されたある謎が、登場人物の疑問と調査、推測という形で次第に明らかになってくる展開に引き込まれました。
 また、「地方紙を買う女」「真贋の森」などは、以前読んだ時も大変面白いと感じた作品でしたが、今回読み返してみて、やはり面白いなあと堪能させられました。

 第四章がひとつ、シリーズ3冊のなかでも個性的な切り口で、清張ワールドの一端を垣間見せてくれるもの。【「日本の黒い霧」は晴れたか】と題された第四章。ここでは清張のノンフィクション作品からの抜粋という形で、ふたつの作品を取り上げています。『昭和史発掘』から抜粋した「二・二六事件」と、『日本の黒い霧』から抜粋した「追放とレッド・パージ」。日本の現代史のなかでも特筆される事件にスポットライトを当て、そこに潜むドラマや歴史の闇、それらがうねり、胎動し、蠢く有り様を丹念に追いかけた記録。
 読みやすいものではなく、中途で挫折しそうにもなりましたけれど、広大な清張ワールドにはこうした世界もあるのだ、そしてそれはおそらく清張作品のひとつの核となる部分でもあるのだろうと触れることができた、それだけでも収穫でした。

 章ごとに水先案内役として、松本清張短編の紹介をされていく宮部みゆきさんの前口上。これがまた、その作品を読む気にさせてくれる、読み心をくすぐってくれるツボを押さえたものになっています。

巨匠を知るのにオススメ。純文学にミステリーに現代史4
松本清張さんと聞くと長編でどこなく昔の推理小説というイメージでした。
しかし、宮部みゆきさんが推薦されることで、
読んでみようという気にさせられたことを、結果的に嬉しく思います。

ミステリー作家として日本を代表する松本清張さんで、
そのイメージがあまりに強かったのですが、
実は芥川賞(純文学)作家でもあると知り、また昭和史の
ノンフィクション作家でもあることを知り驚きました。

ドシリの心に響く表現やストーリーは、
巨匠と呼ばれる著者の力を感じます。
短編だけに、エンディングが想像でいるものもありましたが、
宮部みゆきさんの前口上によって、単なる結末以上に深くも考えることができ
2つの面から楽しめると思います。

この本の存在を知らなかった4
松本清張ファンで、宮部みゆきファンであるのに買うまで本書の存在を知りませんでした。
何となくずっと「或る『小倉日記』伝」を読み損ねてきたんですが、期待にそぐわぬ面白さ。
昨今の芥川賞受賞作の質の低下を、今さらながら憂いました。(比べるのも酷ですけど。。。)

宮部さんの意図も手伝い、上巻〜下巻にかけての流れも良く、
まるで清張さんと旅を共にした気持ちでした。短編集ですが、是非、全巻一気読みをオススメします。