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二十世紀日本の戦争 (文春新書)

二十世紀日本の戦争 (文春新書)
By 阿川 弘之, 中西 輝政, 福田 和也, 猪瀬 直樹, 秦 郁彦

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  • 発売日: 2000-07
  • 版型: 新書
  • 205 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
日露戦争から湾岸戦争まで、日本の運命を決した五つの戦争を俎上にのせ、縦横無尽に語りあう戦争論の決定版。文藝春秋読者賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)
この百年の間、日本は多くの戦争にかかわった。日露戦争、第一次世界大戦、シベリア出兵、満州事変に端を発する日中戦争、そして、太平洋戦争。世界で最も平和を謳歌しているように見える戦後でさえ、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争などは日本の国家、社会に大きな影響をおよぼした。平和を美しく語るのもいい。しかし、破壊と大量殺人をともなう戦争という人間の営みを正面から見つめることなくしては、新しい時代の平和は決して語れない。文芸春秋読者賞受賞。


カスタマーレビュー

戦争がえぐりだす日本人の姿5
本書は「戦争」を切り口に、近代日本が関わってきた戦争の成功と失敗を振り返るとともに、日本の指導者がいかなる精神構造を持ち、開戦・終戦といった重大な局面においてどのような決断・行動をしてきたのかを冷静に掘り下げている。またそこから、今日にもつながる日本人の特有の性質は何かを探ろうと試みている。
「戦争」という非常に重いテーマであるにも関わらず、5人の論客の対談という形で展開されているのでテンポも良く、日本史に詳しくない人でも一気に読むことができる。
私が特に印象に残ったところは、日本が真珠湾攻撃により太平洋戦争に突入した時、日本の中に一種の「爽快感」があったという記述。黒船来航以来、欧米列強に常に翻弄されてきた経緯の中で、ついに列強の大国アメリカに一矢を報いたことで、何かすっきりしたという開放感があったという。そこで論客たちが問題とするのは、一般大衆のみならず、軍の上層部や知識人などいわゆるエリート層にも同様の感覚があったこと。この思慮の浅さが、結果として悲惨な結末をもたらしたとみている。
ここで論客の一人である京都大学の中西輝政教授が、古代ローマ時代、ローマ帝国の挑発に耐え切れずに爆発し滅亡したカルタゴの例を引用し、次のように発言する。
「物事が宙ぶらりんでどっちにも決まらない状態が延々と続くことが、人間の魂をいちばん参らせてしまう。そして宙ぶらりんの状態がどちらかに決したときに、大変な気持ちよさがそこにともなう。(中略)イギリスのエリートたちは物事がどちらにも決まらない気持ち悪さに延々と耐えなければならない、という教育をされている。残念なことに日本にはそういうエリート文化がなかったし、いまだにない。」
このような視点は、現代の日本を考えるとき貴重な視座となるのではないかと思う。

戦前から戦後を考える4
20世紀の百年は日本にとって今までになかった百年だったという事が良くわかった.
満州事変から太平洋戦争に至る道の中で日本の破局を避ける術はなかったのか.そこにこの座談会の主題があったと思う.
石橋湛山の小日本主義に対する福田氏の反論が良かった.
あえて不満を言うなら阿川氏の海軍での話がもっと読みたかった.

抜群の面白さ5
各歴史事件の基礎知識さえあれば、その連関性を解説してくれるので抜群の面白さとなる。

猪瀬氏が進行役、中西、秦、福田氏という論客に唯一の戦争経験者阿川氏が絶妙の解説を加える。議論というより其々がどう思ったかを忌たんなく述べ合うざっくばらんな雰囲気が読みやすい。

これを読んで興味をおぼえた歴史事件を深く調べてみるのもいいと思う。そういう意味では手軽な歴史参考書。