他者が他者であること
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #112764 / 本
- 発売日: 2009-02
- 版型: 単行本
- 216 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
二十代の頃には、歴史小説を悔蔑していた―。毛嫌いしていた歴史小説をなぜ書き始めるに到ったか。著者と歴史との邂逅を語ったエッセイから、古代中国について、司馬・藤沢作品、小林秀雄について、知る人ぞ知る趣味のカメラについてなど…。創作に対する著者の姿勢が立ち現れた、哲学的思索とみずみずしさに溢れる珠玉のエッセイ集。
カスタマーレビュー
悟性を大切に歴史における他者の生き方を見据える
エッセイ集のタイトルによくあることだが、本書は41編の中の文題であって、全体を通したテーマではない。しかし、関連がないことはない著者の執筆態度に関わる問題である。
三十七歳にして、他者の捉え方が違ってきたという。それまでの他者は、自分の内なる他者であった。その後は、自分の外なる他者である。どこが違うかと言うと、前者は自分の感性と理性で包含しえる他者である。後者は理性が「悟性」に変わったと言うのだ。単に歴史的事実として知的にしるのではなく、人とは何かを問いかける悟性の深さが大切とみる。『史記』をものした司馬遷の偉大さもそこにある。
「歴史は行動の美学を教えてくれる」とも言う。内なる文学の中に篭っていないで、他者の存在をしかと捉える歴史小説に向かうようになった著者である。単なる物語ではなく、人間の生き方を他者として見据える哲学的「悟性」を大切にしている作家姿勢に心惹かれる。
久しぶりのエッセイ集
「やっと出たかぁ〜!」というのが本屋で見かけた時の感想。
調べてみたら『春秋の名君』が1996年11月の刊行だから、エッセイ集は実に12年ぶりってことですね。
嬉しさのあまり一気に読破しましたが、微かにもどかしさを感じました。
というのも、この本でカバーされているエッセイは最も古いもので1990年、新しいものは2007年まで
あるので既刊2冊と比べると寄せ集めの印象を強く受けますし、あまりにも時間が経っているために
ピンとこない話もあるからです。
とはいえ、著者居住地である浜名湖北岸周辺を紹介する第1部、そして現代小説『海辺の小さな町』
を生み出す伏線となった写真への傾倒の日々を綴った第3部はシリーズになっているので、時間が
経っていようとも話のまとまりと著者の情熱を感じつつ読むことができます。
短編・エッセイまで追いかける余裕のないファンとしては、刊行してくださった文藝春秋さんに素直に
感謝したいです。
カメラマン
氏にカメラの趣味があるとは
知りませんでした。
一瞬の景色を切り取る眼、
一瞬の光を見逃さない目、
そんな眼力が、
著者の小説にはあるような気がします。
写真によって磨かれたものなんでしょうね。




