文壇
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #745189 / 本
- 発売日: 2002-04
- 版型: 単行本
- 185 ページ
エディターレビュー
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自らが夢見て、這いずり回り、そして切磋琢磨した得体の知れない砦「ニッポン文壇」。そこに跋扈(ばっこ)するさまざまな俊英や怪人たちを、大いなる愛情と哀切をもって描き切った意欲作。異様なまでに執拗かつ緻密な筆致で、当時の熱を孕んだ空気を鮮やかに浮かび上がらせた本書は、2002年に泉鏡花賞を受賞した。戦後のテレビや文壇の世界で、時代の寵児として栄光も辛酸も味わい尽くした著者だからこそなしえた偉業だろう。
著者は1930年神奈川県生まれ。実は小説家となる以前に、CMソングやコント、テレビ台本などで早くから名を馳せ、「元祖プレイボーイ」の異名もとった。33歳で小説『エロ事師たち』を発表、37歳で『火垂るの墓/アメリカひじき』で直木賞を受賞し、戦後日本を社会の底辺から見つめた焼跡闇市派と呼ばれた。この後もサブカルチャーの先駆的存在となった雑誌「面白半分」編集長、歌手デビュー、また53歳で参議院選で当選するなど、常にその過激ともいえる行動で世間を挑発してきた。
著者自身がずっと意識してきたという三島由紀夫や吉行淳之介、丸谷才一、重鎮の舟橋聖一、吉川英治、丹羽文雄、新進気鋭の大江健三郎や石原慎太郎、開高健、そして編集者たち。文壇という魔界にうごめく多数の鬼才たちを、同様に時代が生んだ野坂昭如という一鬼才が活写した極私的ドキュメンタリーだが、この時代のエネルギーと磁力が我々を引き付ける。それは失われた時代への羨望と憧憬が入り混じった不思議な感懐だ。(田島 薫)
内容(「BOOK」データベースより)
生き残ってみせる。しがみついてやる。虎視眈々と“文壇”の末席に連なることを夢見たあの日、あのころ。戦後文壇の表と裏を極私的にたどる灼熱のメモワール。
内容(「MARC」データベースより)
生き残ってみせる。しがみついてやる。虎視眈々と「文壇」の末席に連なることを夢見たあの日、あのころ。戦後文壇の表と裏を、極私的にたどる灼熱のメモワール。『文学界』連載を大幅に加筆修正したもの。
カスタマーレビュー
お元気ですね
「新宿海溝」以来の久しぶりの黒メガネの世界へ、あなたもようこそ。
もしかしたら、文壇という世界も、この先、消えていくのかもしれない、吉行淳之介や、五木寛之のようなキャラは、この先、もうないかもしれない、という懐かしさが、あなたを包みます。若い時、熱く読んだ作家が、実名で登場してくると、その時の自分や、状況まで、懐かしく思い出されます。
この息つぎのない文体も、一緒にマラソンを走っているようです。読み終わるとほっとしますよ。
文壇バァから見た昭和30年代文学史
野坂昭如の文体―どちらかといえば悪文に近い―に最近はまっている。一人称に関する主語を殆ど用いないこと、句点と読点をわざと違えて文を続けること、そして過剰な体言止め。TV等を通してみる野坂自身の「語り」だと思えば、ある種のリズムで一貫しているとも言える。この本も例外なく、そんな野坂文体を享受することができる。
文壇とは何か。本人も幾許かの考察を加えてはいるが、結局のところ明確な定義はないようだ。文壇バァ=文壇。文士の集まる酒場を通じてみた、文壇の生態。そしてTV業界から次第に本格的に小説を書き始めるまでの、野坂自身の軌跡。バァに集まるのは、野坂自身が言っているように文士にとっての湯治でしかない。しかし、それが様になった最後の時代。その残り香を本書から嗅ぎ取ることができた。
もう文壇はなくなったのだろうか。
小説家志望の気持ちを代弁しているようなものだ。
不安、疑心、生活、女房子供、才能。有名な人と格好良く難しいことを喋って、人に尊敬されたり、重く見られたい。
野坂の物語は、オートフィクションになっており、そういう言葉がない頃に、嘘を絡めてやっていた。
そこが珍しく、文体も読みなれれば調子がよい。
もう文壇はなくなったのだろうか。


