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兄弟 上 《文革篇》

兄弟 上 《文革篇》
By 余 華

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  • 発売日: 2008-06-25
  • 版型: 単行本
  • 448 ページ

エディターレビュー

内容紹介
カンヌ映画祭で鮮烈な印象を残した張芸謀の『活きる』。
その原作者である中国文壇の気鋭、余華が十年ぶりに発表した長編小説『兄弟』は、中国に大議論を巻き起こした。軽薄! ソープドラマ! ゴミ小説! 文学界の猛批判をヨソに爆発的なヒットとなった本書は、文化大革命から世界二位の経済大国という、極端から極端の現代中国四十年の悲喜劇を余すことなく描ききった、まさに大・傑・作。
これを読まずして、中国人民(と文学)を語るなかれ!

1966年――文化大革命が毛沢東の手ではじまった。
隣人が隣人をおとしいれるこの恐怖の時代に、出会ったふたつの家族。
男はやさしい男の子を連れ、女はつよい男の子をつれていた。
男の名は宋凡平。子どもの名は宋鋼。
女の名は李蘭。子どもの名は李光頭。
ふたつの家族はひとつになり、宋鋼と李光頭のふたりは兄弟になった。
しかし、時代はこの小さな家族すら、見逃しはしなかった――。

■著者から
本書の日本をめぐるエピソードで、80年代の中国人がどうして日本を高く崇めていたか、また2000年代に、どうして日本に対して抗議が起こったのかを理解できるだろう。この小説は、中国の文化大革命から今日の開放経済下のふたつのまったく違う時代を描いているが、日本の読者も中国の読者と同じように、泣いたり笑ったりしながらこの本を最後まで読んでくれることを私は信じている。

内容(「BOOK」データベースより)
「母さん、安心して。最後に一杯しかご飯がなかったら、弟に食べさせてあげる」隣人が隣人をおとしいれる文革の時代に、出会ったふたつの家族。男は、やさしい男の子をつれ、女は、つよい男の子をつれていた。ふたつの家族はひとつになり、ふたりは兄弟になった―。

著者について
■余華 ユイ・ホア
1960年、浙江省にて医者の両親のもとに生まれる。歯科医を経て、23歳で作家に転身。1992年に発表した『活きる(活着)』(飯塚容訳、角川書店、2002)は、張芸謀によって映画化され、1994年第47回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞(グランプリ)を受賞した。また、これまでの作家活動のなかで、グリンザーネ・カヴール賞(イタリア、1998)、芸術文化勲章(フランス、2004)、第1回中華図書特殊貢献賞(中国、2005)などを受賞している。ノーベル文学賞関係者が、中国で必ず面会する作家のひとり。
本書は10年ぶりの長編小説である。2005年に上巻が中国で出版されるや、たちまちベストセラーになった。北京在住。

■泉京鹿 いずみ・きょうか
1971年、東京都生まれ。フェリス女子学院大学文学部卒。北京大学留学、博報堂北京事務所勤務などを経て、現在に至る。訳書に『衛慧(ウェイ・フェイ)みたいにクレイジー』、『ブッダと結婚』(ともに衛慧著、講談社、2004、2005)、『さよなら、ビビアン』(アニー・ベイビー著、小学館、2007)など。北京在住。


カスタマーレビュー

中国的兄弟関係4
文化大革命から改革解放後めざましい経済発展を遂げる現在までの中国のある田舎(おそらく浙江省のどこか)を舞台に、血の繋がらない兄弟である李光頭と宋鋼の波乱万丈の人生を描いています。
「極端から極端の現代中国四十年の悲喜劇」と紹介されているように、文革篇と経済開放篇ではトーンが変わります。極端と言えば本書の中国国内での評価もそうで、一方では絶賛され、一方では下品なゴミ小説と叩かれたという背景があり、なるほど特に経済開放篇はこれでもかという低俗度で著者の並々ならぬエネルギーを感じます。
大規模な美処女コンテストや、それに乗じたインスタント処女膜の販売。豊胸クリームのサギ行商などなど…。乱暴に、また滑稽に性描写も織り込まれます。
弟は失恋のショックからパイプカットするし絶倫だし、兄は豊胸クリームを売り上げるために豊胸手術するし。
泉京鹿さんの訳も丁寧で読みやすかったです。
というように本書は超B級エンターテイメント小説であり、激動の四十年間を生きた中国人をブラックユーモアで描ききった歴史的大作です。

藤山寛美か文学か5
上下二巻、楽しく読み通しました。
中国の公衆トイレの話で始まるのですがこれが強烈で、私は上巻が終わるあたりまでトイレのイメージが抜けませんでした。笑

この物語は、喜びあり、悲しみありで、藤山寛美の芝居みたいにも思えます。「よっ、大統領!」みたいな場面があるのです。泣けて、笑えて、笑えて泣けて、という具合なのです。
でも反面、これは文学だと思うのです。そのへんのバランスがひじょ〜に微妙で、この小説はおもしろいです。
文章も素晴らしいと思います。映像的です。

他の人間たちは全員、俗な人間です。
どこにでもいる、欲望を持った人間なのですが宋鋼と言う人物が居て、彼だけは俗人ではないのです。「兄弟」の兄なのですがいったい、こんな人間が本当にいるものかな。何のために一人だけ、こんな人物を作者は、描いたのかな。
妻を愛していて、その妻のために働いて働いて、体を壊してもなお働いて、大金持ちになった弟に頼れば良いのに、それだけは頑なに拒否して、ついには漂泊して、長距離電話で妻が「帰って、帰って、」というのに帰らず、なおお金を稼ごうと彷徨う。
自滅型の聖人と言おうか。こんな人物が本当に居るとは、思えない。ただ、この小説は、真ん中にこの自滅型聖人が居ます。彼を巡る人間模様なんだ。

恋愛あり悲劇あり笑いあり感動あり。立派なお父さんに感動5
外国文学、中国文学は読みづらいかなと思いましたがすらすら読めました。
文革編ではまだ幼い兄弟たちの物を知らない純粋な行動が映画「三丁目の夕日」のように流れていきます。登場人物たちの気持ちがすごく伝わってきます。

上巻では一部開放経済篇が終わりのほうに少し入っています。
値段は高いですが相応の価値はあると思います。

お父さん最高「ライフ・イズ・ビューティフル」「ホテル・ルワンダ」のお父さんたちを俺の中では上回っちまったよ。