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幼女と煙草

幼女と煙草
By ブノワ・デュトゥールトゥル

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  • Amazon.co.jp ランキング: #163461 / 本
  • 発売日: 2009-10-09
  • 版型: 単行本
  • 202 ページ

エディターレビュー

内容紹介
サミュエル・ベケットに見出され、
ミラン・クンデラが絶賛する著者の問題作。


死刑を目前に控えた囚人は、最後の一服を要求した。しかし、刑務所の所長は完全禁煙の規則を盾にそれを拒否。事態は、煙草会社、法曹界、政治家を巻き込んで、奇妙な混乱へと陥っていく……。はたして、囚人は最後の一服を許されるのか?
一方、禁煙の市庁舎のトイレで煙草をくゆらせていた職員は、幼い女の子に現場を発見される。威嚇して追い払ったものの、職員には告発の手が伸びる。やがて、囚人と職員の人生は、皮肉な形で交差する。注目作家が放つブラック・コメディ。

内容(「BOOK」データベースより)
死刑を目前に控えた囚人は、最後の一服を要求した。しかし、刑務所の所長は完全禁煙の規則を盾にそれを拒否。事態は、煙草会社、法曹界、政治家を巻き込んで、奇妙な混乱へと陥っていく…。はたして、囚人は最後の一服を許されるのか?一方、禁煙の市庁舎のトイレで煙草をくゆらせていた職員は、幼い女の子に現場を発見される。威嚇して追い払ったものの、職員には告発の手が伸びる。やがて、囚人と職員の人生は、皮肉な形で交差する―注目の作家が放つブラック・コメディ。

著者について
1960年生まれ。フランスの小説家、エッセイスト。フランスの大統領ルネ・コティの曾孫にあたる。サミュエル・ベケットに才能を見出され、1985年に長篇
Sommeil Perdu でデビューした。その後、ミラン・クンデラに絶賛された短篇集 Drole de temps
でアカデミー・フランセーズ賞を受賞。第十作となる Le voyage en France
ではメディシス賞に輝くなど、華々しい活躍を続けている。著書は13カ国に翻訳されている。
2005年に発表された本書は、その風刺性が高く評価される一方、そのショッキングな内容が大きな論争を呼んだ。


カスタマーレビュー

赤いマークがいくつも並ぶ超激辛5
海外作家のブラック・ジョークは怖い。その皮肉は、容赦ない知性の刃と耐え難い毒をはらんでいる。しかも、海外ものとはわかっていながら、今、眼前にある日本社会を痛烈に皮肉られているような気さえしてくる。

貧困と人種差別ゆえにどこまでもノーテンキでからっぽな囚人が一夜にして得る大衆人気。規則に厳格であっても法には無知な官僚。冤罪を成り上がりの機会と焦る女性弁護人、たばこ会社、政治家、死刑反対、喫煙反対論者と、そのまた反対論者によるドタバタ。

一方、子育ての親のためにオフィスが全面開放され子供があたりかまわず走り回っているという情景。男子トイレに迷い込んだ女の子に対する性犯罪をまつりあげられる悲運。子供嫌いが小児性愛倒錯の状況証拠とされる皮肉。行政の矛盾をほじくり返してうさを晴らしている高学歴プチブルの人生。批判好きで常に主流に背を向けていた性格がゆえに向けられる悪意に満ちた復讐と排除のうねり。

この対照を軸に展開する本書を読み進むうちに、始めの笑いが、やがてこわばっていく。

ブラックものマニアにとっても、赤いマークがいくつも並ぶ超激辛だろう。

ブラックな風刺劇としては一級品ですが、徹底的な愛の欠如があまりにも寂し過ぎます。3
多彩な才能を発揮してマルチに活躍するフランスの実力派文芸作家デュトゥールトゥルが2005年に著した本邦初紹介となるブラックな問題作です。本書を読んですぐに現代社会との類似を感じる点は健康を阻害するという名の下にエスカレートして行く禁煙・嫌煙運動の問題でしょう。著者は「幼女と煙草」に対する人間の観念が異常化した仮想社会の姿をこれでもかとばかりにブラックに風刺して描いています。
死刑を目前に控えた囚人の望んだ最後の一服が刑務所の所長から拒否される。やがて「最後の一服」問題は裁判に掛けられ、世間の注目を集める大問題となる。一方、禁煙の市庁舎のトイレで煙草を吸っていた職員が幼い女の子に現場を見られて後に告発される。同じ時期に起きたこの煙草を巡る2つの事件は対照的な運命を迎え二人の人生は思いも寄らぬ意外な形で交錯するのだった。
それにしても喫煙を制限する社会の中で片や堂々と煙草を楽しむ姿を見せつけて抑圧された大衆の共感を得て殺人という重罪にさえ恩赦を与えられる死刑囚と、逆に禁煙の場でこそこそと隠れて煙草を吸っていた為に社会から抹殺されてしまう男と、天と地のような差で要領の良い人とそうでない人とはこれ程までに違うのかと驚かされます。幼い子どもが尊敬される社会で刃向かった為に男が茶番劇の裁判に掛けられる場面までは笑えますが、テロリストの血生臭い人質の処刑が絡んで来るとあまりの冷酷さに震えが来て非情な風刺劇に恐怖の念が込み上げます。唯残念なのはストーリーの流れの予想がついてやや単調になり、男が子供を作る事を拒否して妻さえも敵に回してしまうに及んで助かる可能性がゼロに思えて来る点で、物語を通して徹底的な愛の欠如を感じるのがあまりにも寂し過ぎると思います。本書はブラックな風刺劇としては一級品ではありますが、やはり次回作では人間本来の温かなヒューマニズムを感じさせる部分も読ませて頂きたいと願います。

残酷なばかりでちっとも面白くない1
これはおそろしく金がかかった本である。
そもそも規定第47条は所内規則176bの上位の法律である。したがって、これを実行させなければならない。それは当然所外に設けた喫煙所でおこなわれるべきで、何も疑問の点はない。だから、この小説の筋書きがそもそも成り立たないと言えよう。
「僕は立ち上がり、窓からまだ火のついている煙草を投げ捨てた。」というところは自覚はしていないものの犯罪そのものである。
700度の物体を投げ捨てて、平気でいられるところに作者のニコチン依存が見て取れる。読んでいて馬鹿馬鹿しくなった。