くじ (異色作家短篇集)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #158393 / 本
- 発売日: 2006-01
- 版型: 単行本
- 325 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
知らぬ間に悪魔がぼくらのあいだを歩き回っているかもしれない。恐るべき22の物語。
内容(「MARC」データベースより)
町中の人が集う広場で行なわれるくじ引きで、いったい何が決まるのか-。表題作「くじ」のほか、人間の残酷さを抉り出し、読む者を狂気の世界へ誘う21編を収録した短篇集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ジャクスン,シャーリイ
1919‐1965。サンフランシスコ生まれ。カリフォルニア州で育ち、のち東部に移る。シラキュース大学卒業後に結婚、以後はヴァーモント州に住む。1943年ごろから雑誌に短篇を発表し、1948年に『ニューヨーカー』誌に発表した「くじ」で作家としての地位を確立する。他に『山荘綺談』『野蛮人との生活』などの作品がある
深町 眞理子
1951年都立忍岡高校卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
この世で一番恐いものは、人間
この本には怪物も幽霊も出来てません。だけど恐い。それは恐怖の対象が、とても身近な人間や何気ない日常生活の中に潜んでいるからです。
やはり表題作の「くじ」が有名なのでしょうが、私は「決闘裁判」が一番恐かったです。人間の笑顔の裏には何が潜んでいるのか…。ジャクスンはさりげない人間の残酷さや狂気の描き方がすばらしいと思います。
これが「異色」短編だ
本書ではあちこちにジェームズ・ハリスという悪魔(?)が出没します。しかし、悪魔をめぐる連作ではありません。「異色」としか言いようのない短編ばかり収められた短編集です。
私が得た印象は「絵」です。読者はページをめくって一枚の絵を見つけます。じっと見ているとその情景からは少しの過去と少しの未来が読み取れます。結婚の約束をした恋人が現れないために心配している女性、食事に行ったレストランで見つけた大げんかをしているカップル(腹話術師(とその人形)と恋人の女性)、息子が通う幼稚園での困ったちゃん、お隣に越してきた迷惑な一家……どれもこの世のどこにでもある情景ですが、どこにもない違和感が仕込まれています。
私が一番気に入ったのは『麻服の午後』です。近所の一家を午後のお茶に招待した家の少女ハリエットは、お客をもてなすためにピアノ演奏を命令されて断ります。次に自作の詩の朗読を……これも断ると、詩を書いた紙を無理矢理取り出され(それも気にくわない招待客の男の子の手で)皆の前で読まれてしまいます。それに対してハリエットが行った「復讐」は……
ラストの『くじ』も異色ですが、本書でのそれまでの作品とは違って起承転結があります。ある村で一年に一回のくじ引きが行われます。そのくじの目的は……読んでいるうちに大体予想はつきますが、それでもラストでこちらの心が震えます。本作の日本初出は1964年のSFマガジンですが、ちっともSFではありません。心して(覚悟して)読んでください。





