一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)
|
| 価格: | ¥ 2,100 1500円以上は送料無料 詳細 |
発送可能時期: 在庫あり。
販売、発送は Amazon.co.jp
商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #98696 / 本
- 発売日: 2005-11
- 版型: 単行本
- 301 ページ
エディターレビュー
内容(「MARC」データベースより)
幻獣が微笑み、人外が嗤う。ページを開けば異形博物館の開館時間…。伝説の珍獣をめぐる皮肉な物語「一角獣の泉」や、代表作「めぐりあい」など、一癖もふた癖もある異色中の異色作家、スタージョンの傑作10篇を収録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
スタージョン,シオドア
1918‐1985。ニューヨーク、スタテン島生まれ。さまざまな職を経て、1938年に短篇「高額保険」で作家デビュー。1952年に『人間以上』で国際幻想文学賞を受賞。1970年の短篇「時間のかかる彫刻」でヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞。短篇の名手として知られている
小笠原 豊樹
1932‐。北海道生まれ。詩人、ロシア文学研究家、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
奇跡的な作品集
いかに短編の名手であっても、すべての作品が素晴らしいとは言えないでしょう。
多くの短編集には実際に面白くなかったり、読む人の好みでないものも当然収録されることになります。
けれど、この「一角獣・多角獣」は傑作が揃っているだけでなく、その選択と配列が奇跡的なバランスをもたらしているのではないか。長い時間を置いて何度か読み返し、そう思いました。
ファンタジーの要素を使った「一角獣の泉」で始まり、途方もない、まさにスタージョンの発想の特異さを具現化した「考え方」で終わる。その間には満たされぬ者の救いとなる「孤独の円盤」もあり、「死ね、名演奏家、死ね」のようなスリラーともなんともつかない、ある種切ない物語もあります。つまり、スタージョンのエッセンスの様々な風味を楽しめるというところなのですが、そのあと味は必ずしも甘いものではありません。
その独特な、類例のない味わいは、読んでみないときっと分からないでしょう。
そして、スタージョンの作品の良さは発想の特異さだけではありません。
彼のいくつかの作品には、決して癒されることのない孤独、けれど癒されぬことを知りながら救われることを求める心、そんなものを感じます。スタージョン自身の心の投影かも知れません。
本書の二作品に登場するシジジィ(syzygy)という言葉の使われ方は、良くそのことを表しているのではないでしょうか。
長く手に入らなかったこの傑作短編集は、今読まなければ、またいつ読めるか分からないかも知れません。
お早めにどうぞ。
異と触
私にとってのスタージョンは(最初に出会った)『ゆるやかな彫刻』です。盆栽をSFの重要な小道具に使うという発想、ゆるやかで唄うような魅力的な文体、男女の心理の機微、そして……「君の名前は?」。いやあ、高校生には重かった。重すぎました。
私がスタージョンを一言で表現すると「異」(Strange)です。異質・異色・異界・異文化・異人・異物・異形・異能……それらをすべて一度抽象化してかき回し、そのドロドロをインクとして紙の上に書き記すことで具象化した小説世界、それが私にとってのスタージョン。
今回久しぶりにスタージョンに出会って、「触」に対するこだわりもあるように感じました。「触覚」と「(人の)触れあい」の両方です。その究極の形が「シジジイ」でしょう。この単語が登場する作品は本書には二つ。『めぐりあい』と『反対側のセックス』ですが、どちらもこちらの皮膚にぞわぞわする感覚を残してくれます。
『一角獣の泉』……「処女だけが一角獣をその胸に捕えることができる」という伝説をスタージョンが料理したらこんなになっちゃいました。
『孤独の円盤』……『ゆるやかな彫刻』の系統に属する作品です。不器用なボーイミーツガール。実は最初からネタバレになっているのですが、それに気がつくのは本作を読み終えたときです。著者は手練れです。
『考え方』……女が男に扇風機を投げつけたら、その仕返しにその男は「女」を扇風機に投げつけた。そんな男の弟がブードゥー教の人形の呪いで殺されてしまった。その復讐に男が選んだやり方は……
異色作家短編集3
1.「一角獣の泉」
2.「熊人形」
3.「ビアンカの手」
4.「孤独の円盤」
5.「めぐりあい」
6.「ふわふわちゃん」
7.「反対側のセックス」
8.「死ね、名演奏家、死ね」
9.「監房ともだち」
10.「考え方」
以上の全10話が収録されています。それぞれファンタジーあり、SFあり、ホラーあり、ミステリー、ブラックユーモアありとバラエティに富んでいて、読者を厭きさせません。各話ともラストに向けてキチンと纏まっている、この文章力に脱帽です。





