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トヨタがGMを越える日 ―なぜアメリカ自動車産業は没落したのか  THE END OF DETOROIT

トヨタがGMを越える日 ―なぜアメリカ自動車産業は没落したのか THE END OF DETOROIT
By ミシュリン・メイナード

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  • Amazon.co.jp ランキング: #171561 / 本
  • 発売日: 2004-09-16
  • 版型: 単行本
  • 365 ページ

エディターレビュー

From Publishers Weekly
   そう遠くない昔、米国で製造されるデトロイト産自動車は、最もよく売れる人気の高い車だった。だが、もはやそうではない。ニューヨーク・タイムズ紙の記者メイナードは、トヨタやホンダといった企業が現在の自動車産業をリードしている理由を説明する。そして、米国車低迷の理由として、より魅力的な新モデルや軽トラックの登場など、さまざまな理由を挙げている。彼女によれば「トヨタと同社の発展的なラインアップを除けば、外国企業はすべて、競合するあらゆる面で、デトロイトに真っ向から対抗している…こうした企業は、ターゲットを定め、市場をひとつひとつ奪っていくことで成功できるのだ」という。

   確固たるブランドイメージを持ち、市場を熟知する企業として、メイナードはBMWと現代(ヒュンダイ)の2社を挙げている。そして、国内外の自動車会社の経営者や従業員のインタビューをもとに、米国消費者を勝ち取るべく、再三、より革新的で戦略的な方法をとってきた外国企業の姿を描き出す。たとえば、トヨタは米国に自動車工場を建設し、地元の従業員をトレーニングした。なかでもスペイン語を母語とする労働者は、やがてメキシコや南米などのトヨタ工場で働けるようになっていく。語られる内容は手ごたえのあるものだが、文章はときとして退屈になる。米国自動車産業に対するやや悲観的な意見ではあるが、それでもなお興味をそそられる1冊だ。
Copyright 2003 Reed Business Information, Inc.

内容(「BOOK」データベースより)
2010年、トヨタがGMを抜いて自動車業界で世界最大の企業となる―その予測の根拠となる、この20年間にわたるアメリカ市場の動向と、日本・韓国・ヨーロッパの企業の取り組みを描き、何が「デトロイトの終焉」という事態を引き起こしたのかを明らかにする。アメリカ本土に工場を開設し始めた1980年代から今日にいたるまで、GM、フォード、クライスラーのビッグスリーの牙城を切り崩すために、海外企業が常に目指してきたのは、消費者の要求を汲み取る感覚を磨き、彼らが買いたくなる自動車をつくることであった。1990年代の好況期に企業規模の拡大追究に走り、顧客をおろそかにしていたビッグスリーを尻目に、海外のメーカー各社は品質・信頼性・耐久性を旗印にその地盤を固めていった。各社のトップから工場労働者までを取材し、リベートや割引などのインセンティブの弊害、全米自動車労組の存在、工場誘致に伴う諸事情などにも触れながら、詳細かつ徹底的に業界の姿を描き出したノンフィクション大作。

内容(「MARC」データベースより)
2010年、トヨタがGMを抜いて自動車業界で世界最大の企業となる…。その予測の根拠となる、この20年間の米国市場の動向と日・韓・欧州企業の取組みを描き、「デトロイトの終焉」という事態を引き起こした原因を解明。


カスタマーレビュー

アメリカ人にもわかって欲しい本5
ニューヨークタイムスのデトロイト詰め記者、ミシェリン・メイナード女史は、「THE END OF DETROIT(邦題:トヨタがGMを越える日)」との本を書き、その日本語版が早川書房より今年9月に刊行された。

メイナードは、この本の中で、デトロイトを中心としたアメリカの自動車会社が外国メーカーとの競争に敗れ、次第に衰退していく様を描いている。そして、2010年には、その象徴的な出来事として、トヨタがGMを抜いてナンバーワン・カンパニーになるであろうことを予言している。

彼女は、デトロイト没落の原因は自信過剰からきた「思い上がり」を指摘し、これに対して、トヨタ・ホンダ・日産・BMW・ヒュンダイなどの外国メーカーは、製造現場を重視し、販売現場の声を開発部門に素早く反映させる地道な努力の積み重ねの故に、強い競争力をもっていると結論付けている。

アメリカ自動車産業に関するこうした論評は、必ずしも目新しいものではない。80年代はじめに書かれた名著「覇者の驕り(THE RECKONING)」(D.ハルバースタム、1986年9月、日本では1987年)においても同様の結論を引き出している。ただし、ハルバースタムは必ずしも日本車=その代表メーカーとして取り上げた日産=が必ずしも覇者になるであろうとは結論付けていない。むしろ、日本車の後を追う韓国メーカーが、同じようなやり方で米国市場、世界市場を狙うであろうことを示唆している。

一方、1994年に米国でベストセラーになった「激突(COLLISION)」(M.ケラー著)によれば、世界の自動車業界は、トヨタ・GM・VWの激烈な競争の結果、GMが覇を唱えるであろうことを予測している。このなかで、ケラーは、経営管理の面でトヨタが大きく遅れをとり、労務管理の面で困難さを持つVWに比べ、経営全般にわたって改善の著しいGMに軍盃を上げている。

80年代のハルバースタム、90年代のマリアン・ケラーに続いてデトロイトと日本メーカーの帰趨を著した2000年代のメイナードの結論に対し、市場はどのような評価を下すだろうか?

トヨタ、ホンダ。3
デトロイトが失ったシェアの多くはトヨタ、ホンダに行ってるのですから、本書も必然的に2社がいかに米市場に定着していったか、に多くの紙幅をあてています。詳らかに解説されているトヨタやホンダの企業文化や最近の人事トピックは米国の一般読者には興味深いかもしれませんが、日本人には目新しいものはあまりありません。

ビッグ3のシェアが落ちているのは「商品の競争力のなさ」その一言につきるわけで、マーケット把握・予測の甘さにはじまりクオリティの低さや、販売数かせぎのレンタカー屋への乱売など近視眼的セールス施策でリセールバリューを更に落とすなど、本書はビッグ3の「罪」が詳述されます。

今のビッグ3ラインナップ、商法からして、シェア低落はいわば必然の結果。何の不思議もない。だから本書の内容はある意味当たり前の事実の再確認を繰り返し繰り返し行っているだけなのでジャーナリスティックな意味で「非常に面白い」「興味深い」内容ではないと思います。もちろんトヨタの「カムリ」商法、ホンダの「オデッセイ」手法、ヒュンダイ、BMWの米マーケティグの実際などきちんとした調査・取材に基づいて書かれているので「米自動車マーケットの最新事情」を知りたい向きにはおすすめできます。

日本の企業にも示唆を与える指摘が光る4
北米自動車業界の現在を知る最適な書。
幅広いインタビューで日米欧のカーメーカーの北米市場へのアプローチを比較している。
Big3の戦略やアプローチの悪さを日欧メーカーとの比較から分析・指摘し、もっとうまくやるべきだし、やれるはずだと論じている。
UAWの抱える問題への指摘や、日系自動車メーカー(訳者は移植工場と言っているが)は北米で多くの雇用を生み出し、アメリカ人にも高品質で魅力的商品を作れることを証明している点に言及している点など、勇気をもって業界に提言している。
現場の軽視や、CEOが頻繁に変わる経営スタイルなど、日米自動車産業比較から多くの提案がある。
日本が欧米メーカーの真似事をして多くの問題を抱えている現在、ここで主張されている視点はもっともで、日本企業にも役立つ示唆に溢れていると思う。

残念なのは翻訳である。全般的に万人向きに読みやすくしようと努めているのだろうが、業界で一般的な専門用語を独自に創作して翻訳にするのはやめて欲しい。