嘘つき大統領のデタラメ経済
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #269383 / 本
- 発売日: 2004-01-09
- 版型: 単行本
- 422 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
世界が注目するクルーグマン教授が、ブッシュ政権の詭弁と欺瞞を暴露! NYタイムズの人気連載を教授自身がまとめ、全米で話題を呼んでいるベストセラー。
イラク侵攻はもともと「テロへの報復」だった。しかしテロ組織とイラクの関係を示す証拠が見当たらないとみるや、それは「大量破壊兵器を隠し持つ国への制裁」となった。大量破壊兵器が見つからないと、ついには「中東に民主化の波を起こすため」と言い出し、イラクに攻めこんだ。しかし、戦争以前の政権要人の発言を見れば一目瞭然、自分たちと関連企業の利益のために、ブッシュ政権は「最初から」イラクを攻撃したくてウズウズしていたのだ。ブッシュ政権は、たまたま起こった9.11テロの惨劇とそれに続く愛国心の高揚を、自分たちのために利用したに過ぎない。
これだけではない。経済、社会福祉、環境、国内安全保障、ブッシュの政策は「すべて」こんな具合だ。しかし、押しも押されぬ民主国家アメリカで、なぜブッシュ政権はこれほど露骨な嘘を国民に信じこませることができたのか。そして、彼らの本当の目的とはいったい何なのか。
この本の凄いところは、2000年の大統領選から現在に至るまで、世界随一の経済学者がブッシュ政策の嘘とデタラメに挑戦し続けた、そのリアルタイムな記録となっていることだ。クルーグマンが当初見抜いた「政権の真実」は、日を追うごとに恐ろしいほどに現実となっており、未来に待ち受ける「アメリカの悲劇」が浮き彫りにされる。これまでのクルーグマンの著作とは一線を画した、真の衝撃作である。
内容(「MARC」データベースより)
露骨な金持ち優遇、イラク戦争、環境破壊は当たり前。国民を欺き続ける政権の本当の理由とは何か? 注目度ナンバーワンの経済学者がブッシュ政権の真実を暴く。『ニューヨーク・タイムズ』連載を単行本化。
カスタマーレビュー
ブッシュ政権の政策の欺瞞性と、それを許容しているメディアを批判
ブッシュ政権の政策の欺瞞性をこれでもかというほど執拗にこき下ろしている。本書とスティグリッツ『人間が幸福になる経済とは何か』が経済学者によるブッシュ政権の双璧だろう。
クルーグマンがブッシュをウソツキ呼ばわりする理由は、ブッシュが政策を実施する際、真の目的を隠避し別の目的を掲げて国民をゴマカす欺瞞性であるという。例えば2001年のブッシュの減税政策である。ブッシュはこれで中産階級のためであり、現状の予算規模で賄えるものであると述べた。だがそれは国民が数字に弱いことに付け込んだものであり、富裕層や金持ちの懐を潤すものである事は明白だ。
ではなぜこのような明白に間違った政策の背後にあるものは?」という分析に踏み込む。ここからが政治の話になるだろう。クルーグマンの目の確かさはこの辺りの分析の鋭さであり、彼をオピニオンリーダーたらしめている一因であり、この言説こそが本書のハイライトである。第三部(P219-P326)がそのままブッシュの政策をメッタ斬りだ。
クルーグマンの矛先はメディアに向けられる。なぜ本来権力者を批判すべきジャーナリズムよりもパートタイムジャーナリストのクルーグマンのほうがブッシュ政権の欺瞞をいち早く見抜くことが出来たのか。
クルーグマンのジャーナリズム批判の核心を一言で述べると、前述の通り「ジャーナリストたちの「ワシントン・サークル」とでも呼ぶべき共通認識の形成とそこから来る権力者への自覚なき追随」にあると言えるが、同じ構図は実は我が国の経済報道、経済論壇にも当てはまる。「改革なくして成長なし」といいながら改革の成果はさっぱり見えてこず、しかしそれが本格的な政権批判にはならないこの国の経済報道のおかしさ。それはひとえにジャーナリズムの側がその権力者の改革願望は共有しているからなのだろう。
ブッシュ政権への経済批判
ブッシュ政権に対する批判はたくさんあるが、その多くは、帝国主義的な
外交政策に焦点をあてたものだった。それに対して、本書ではブッシュの
経済政策を痛烈に批判している。
大企業や高所得者を対象とした減税と、それによる財政の悪化や社会福
祉の切り捨て、特定エネルギー企業への利益誘導型政治、等々、ブッシュ
政権のもう一つイイカゲンさがわかるのが、アメリカの政治経済情勢に
うとい私に非常に興味深かった。
クルーグマンに敬服するのは、ブッシュ政権を9.11前も後も、周囲の雰
囲気に流されず、一貫して批判しつつけてきたということである。
また、ブッシュの政策のズサンさを十分に報道してこなかったマスコミの
あり方も問題にしている。この点が、ただの経済コラムニストとは違い、
さすがだと思う。
クルーグマンのグローバリズムに対する評価は、あまりにも楽観的すぎ
ると感じるが、それでも本書全体をつらぬく彼の鋭い現政権への批判と
アメリカ社会への警鐘は傾聴するに十分に値する。既存の体制から大き
く逸脱した政策は、その真の目的が誤解され、穏当なものとして理解さ
れる、というクルーグマンの指摘は非常に示唆的であった。
まさに警世の書
クルーグマンの書くものを読むと、ときどきいやな気分に襲われることがある。いや、書いたものについてではない。書いたものはすばらしい。そうではなくて、ノーベル賞確実といわれている経済学者としての成功ぶりばかりでなく、面白くしかもためになる文章を書けるという才能に対して文句のひとつもいいたくなるということだ。いったい、貿易論でいう比較生産費説はどこにいったんだ?
この本は彼がNew York Timesに週二回執筆しているコラムや、そのほか彼がここ3年くらいの間に書いた啓蒙的文章をまとめたものだ。彼のコラムはネット上で読むこともできるけど、まとまって読めるのは便利だし、まとめて読むことで最近のクルーグマンが何について腹を立てていたのか、その全体像がわかる。
そう、この本でクルーグマンは腹を立てているのである。それもひどく。これまでだってそうじゃないか、というかもしれないが、この本はその深刻さの度合いがこれまでの本とだいぶ違う。エンロン、大規模減税、そしてイラク戦争。クルーグマンは、ブッシュ政権とそれを支える勢力は既存のアメリカの政治秩序に真っ向から挑戦しているのであり、既存の秩序を認めないから何をしてもいいと考えているという。だから、スキャンダルまみれの企業から不正にお金を受け取っていても、資本課税をゼロにしてあからさまに大金持ちを優先しても、あるいはとにかくサダム・フセインをやっつけたいから戦争をはじめたとしても、それで何が悪いのか、と開き直るばかり。手遅れになる前に、国民はこの勢力―クルーグマンは「革命勢力」とまで呼んでいるーの危険性に早く気がつくべきだという。
読者のなかには、それこそいやな気分になるものもいるかもしれない。もちろん、戦闘的なコラムばかりでない。最後に収められたジェームズ・トービン追悼は感動的である。けれども、それすら誠実さが尊重された「ある時代の終わり」の象徴として、そうでない現代と対比される仕掛けになっている。でもなぜ、いやな気分になるのだろう?それは彼のいうことが嘘には思われないし、他人事のようにも思えないからではないだろうか。彼は今の政権は民意を反映しているとは思わない。だから逆転のチャンスはあると考えている。まさに警世の書、と呼ぶべきだろう。





