第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #15335 / 本
- 発売日: 2006-06
- 版型: 文庫
- 266 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。
カスタマーレビュー
精神と肉体に宿る澱
『悪童日記』、『ふたりの証拠』に続いて一気に読んだ。
三冊が三冊ともにスタイルが異なっていて、つど鮮やかに裏切られる。
双子の物語は単純に陰と陽に分けて考えがちだが、真の闇の中では
それも意味をなさないだろう。
作者が描こうとしたのは、まさにその闇の暗さ、そして暗さの中にも
なお浮かび上がるコントラストなのだろうか?
この物語はハンガリーから亡命した作者自身の自伝的要素が、かなり
込められていると聞く。
物語には何らかの帰結を、そして、苦しみの中にも救いを、つい求めて
しまうが、作者はただ、精神と肉体の隅々にたまった澱を吐き出さずには
いられなかったのかもしれない。
巻末に転載されている作者のインタビュー記事の抜粋を読むと、作品世界が
みごとに完結する。
そうだったのか
ずっと待っていた’悪童日記’’ふたりの証拠’に続く完結編の文庫版。これまでの話では、話の展開に疑問がたくさんありましたが、この作品で納得しました。そういうことだったのか・・と。戦争や国家やイデオロギーが人間の運命をいかに翻弄してしまうのか考えてしまいました。そんな時代にこうしてしか生きていくことができなかった主人公の姿は、そのまま残酷な時代を象徴しているかのようにも映りました。
三部作完結
「悪童日記」「ふたりの証拠」と続く三部作の完結です。
前半はリュカの、後半はクラウスの半生というふうに二部構成になっています。
やはり特筆すべきは文章スタイルでしょう。一貫した簡潔な文体。そして、今作には今までにはなかった。幻想性のようなものが感じられます。「悪童日記」では淡々とした事実を述べるもの。「ふたりの証拠」は小説の王道を行く、リアリズムな表現。そして、「第三のうそ」ではそれらに加えて、幻想的な表現により、より文学的な作品となっています。
この作品って一体なんだったんだろう?というのが正直な感想でした。
「悪童日記」「ふたりの証拠」はリュカの希望を込めた嘘の物語でした。しかし、創作したリュカはクラウスの人生をまったく知らなかったにもかかわらず、この二作にはクラウスの人生を想起させるモチーフがあまりにも多く出てきます。
この三部作、結局は同じコトを言っているのではないでしょうか?戦争、冷戦、統一。これらの第二次大戦においての作者の経験をそれぞれ書き分けたものなのでしょう。そこにある悲しさ、どうしようもなさが強く溢れている気がします。「三つの嘘」とはすべて嘘だったということなのでしょうか?
この三部作は奥が深いです。一読しただけでは掴みきれない要素がたくさん隠されているような気がします。





