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シェイヨルという名の星 (ハヤカワ文庫SF―人類補完機構シリーズ)

シェイヨルという名の星 (ハヤカワ文庫SF―人類補完機構シリーズ)
By コードウェイナー スミス

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  • Amazon.co.jp ランキング: #313698 / 本
  • 発売日: 1994-06
  • 版型: 文庫
  • 346 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
第一級の犯罪者だけが送りこまれる、究極の流刑地シェイヨル。この星でどんな苛酷な刑罰が実施されているのか、知る者はいない。分かっているのはただひとつ、シェイヨルが“死”のない世界だということ。つまり、受刑者の苦難は永遠に続くのだ…表題作ほか下級民の反乱を率いた犬娘の悲哀を描く「クラウン・タウンの死婦人」など全四篇を収録。現代SFきっての名匠が抒情ゆたかに綴る謎と魅惑に満ちた未来史の世界。


カスタマーレビュー

文学的SF5
人類補完機構シリーズの中ではこの巻が一番良いんじゃないかと思う。これに収録されている四作とも全部良い。とくに「クラウン・タウンの死婦人」がめっちゃおすすめです。もう涙ものですよ。けっこう哲学的な内容ですし、文学的価値も高いんじゃないかと。それと訳文が詩的な感じで、けっこう成功しているように思います。原文もそうなんでしょうか。

人の尊厳の物語5
下級民、レイディー・ダー、マーサーと苦境にあって「人」の尊厳を保つものの物語達。コードウエイナー・スミスはいつも人に優しい。人を信じた人なのだと思う。想像できないほどの異境、未来世界を想像しつつ人のかわらぬ理想を表現した傑作です。

666の正解は ボルヘス、ハインライン、チャン5
  もし最高のSF作家を一人選ばなければならないとしたら(確
 かにそのような途方もない選択を義務づけられているわけでは
 ないが)、その人物は紛れもなくコードウェイナー・スミスで
 あろう。彼の作品にはSFの昨日があり、今日があり、そしてた
 ぶん、明日がある。
  50、60年代発表のスミス作品はそれ以降にアメリカで書
 かれたすべてのSFを予兆し、凌駕している。ヴァーリイの作品
 とNWのそれは、スミスの存在なくしては考えられない。(そし
 てヴァーリイの系譜に連なる一時代に一人のクールなブーム・
 メイカーがSFの平均株価を一気に引き上げるのだ。)
  コードウェイナー・スミスことポール・M・A・ラインバーガ
 ー博士は朝鮮戦争で補完機構的作戦行動を実行し、何万もの無
 駄に失われていたであろう人命を救った。その辺の事情は『鼠
 と竜のゲーム』収録のJ・J・ピアスの序文に詳しい。ここでは
 速脚で今日サイバーパンクと呼ばれているジャンルを予兆する
 と同時にそれを越えてしまっているこの集の短篇群を検討する
 にとどめておこう。
  『クラウン・タウンの死婦人』は泣かせる傑作だ。補完機構
 の残酷にも慈悲深き正義の感覚はこの短篇で泣いた後ならすべ
 て理解できよう。するとスミスの作品が SF界随一の詩人によ
 る絢爛たるファンタジー などではまったくない ということ
 が呑みこめる。レムのスミス評は彼の経歴にどす黒い汚点を残
 そうー現代の読書子はその轍を踏んではならない。
  『シェイヨルという名の星』の独創的な地獄の中で、読者は
 登場人物の各々への感情移入を通して倫理的な矛盾をも味わう
 。矛盾ーそれこそがスミスの魅力の最大の源であると同時に、
 その未来史の点景ひとつひとつがじわじわと緻密に描き出す長
 大な精神史の原動力となるものなのだ。