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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
By フィリップ・K・ディック

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  • 発売日: 1977-03-01
  • 版型: 文庫
  • 319 ページ

エディターレビュー

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   長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

   映画『ブレードランナー』の原作として知られている、フィリップ・K・ディック1968年発表の傑作長編。著者は1982年、53歳で亡くなった。皮肉にもこの年に公開されたこの映画作品により、彼は一躍スターダムにのしあがることとなった。

   ディックの作品には、SF小説でありながら、登場人物の人間関係、恋愛、家族のきずななどが見事に盛り込まれている。この物語も単なる賞金かせぎとアンドロイド8人のバトルで終わってはいない。人間とアンドロイドの違いを通して、人間とは何かを考えさせられる作品だ。(石井和人)


カスタマーレビュー

人間には最後に、何が残るのだろう5
核戦争後の地球。そこを捨てて火星に逃げ出していく地球人たち。
人間には最後に何が残されるのだろうか。
作者はそれを「共感」とし、共感の究極を宗教に求めた。
マーサーの行為はイエスの十字架への道をなぞっているし、
彼の発言は「見よ、世の終わりまで、あなた方とともにいる」という
イエスの発言を焼きなおしている。

浅倉氏の訳は小気味良く、村上春樹氏が、自分の初期の文体を作る上で、
滋養になったひとつと明言しているだけに、とてもリズムが良い。
誰もが読むべき、映画以上の傑作だ。

アンドロイドは眠れない5
リドリースコットの名作『ブレードランナー』の原作であり、SF界、異端の巨匠PKディックの代表作。映画の世界(Rスコットの暗いジメジメした世界)とは、また違った乾いた世界。テーマは『共感』。人間が人間らしくあるために一番大切な能力は共感する力である。と優しく語り掛けてくれる。ラストで主人公の奥さんが見せる温かさに、ほろりとしてしまうのであった。初めて読んでから20年。時折読み返しては、しみじみしております。

純文学的SF4
映画「ブレードランナー」の原作であると供に、
小説のタイトルが「○○は××の夢を見るか?」と言う形で、
多くのパロディーを生み出したことで知られるSFの古典的名作。
始めて出版されたのは1968年のことらしい。

この本のテーマは、他のレビュアーも書いている通り
「人間とは?」「生命とは?」と言ったもの。
そのテーマは、それはそれで深いものがあるのだろう。
個人的にはタイトルにも現れている文章表現のセンスの良さ(訳も素晴らしい!)や、
「動物を飼うことが美徳」などの架空の社会的状況設定の面白さに
大いに興味を引かれた。

この本の登場人物たちは、我々から見たら奇異に思えることに価値観を見出し、
遥かに進んだ文明の中で羨ましいとはとても思えない生活を送っている。
それはいかにも滑稽だ。
しかしながら、実は私達自身の現在の価値観や生活も、
実のところ、おかしな価値観に支配された滑稽なものかもしれない。
そんなことを感じさせてくれるのだ。

加えて文章表現のセンスは素晴らしく、立派な純文学と言える。
SFに少しでも興味ある人なら外すことは出来ない本であるとともに、
純文学ファンにも読んでいただきたい本である。