ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #67860 / 本
- 発売日: 2007-01
- 版型: 単行本
- 310 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
ヒマラヤの山峰に抱かれ、世界遺産都市カトマンズを首府とするネパール。平和に見える小国では21世紀に入っても、中世さながらの絶対王制が営まれてきた。1990年の民主化から数年、地下に潜った小政党は、毛沢東主義革命を目指し、武装闘争を拡大。たった2挺のライフルから、近代武器を備えた1万を超える軍隊を抱える勢力にまで成長した。2006年春、ついに動き出した何十万もの民衆が、カトマンズを取り巻く道路を埋め尽くす。七政党は武器を降ろしたマオイストと共に、国王に与えられた全特権を奪い取った。5年以上にわたり現地において丁寧な聞き取り取材を進め、地下に潜った活動家やマオイストの武装勢力の指揮官たちへの突撃取材を重ねた孤高のジャーナリストが虚々実々のネパール近現代史を、迫真の筆致で描く意欲作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小倉 清子
1957年栃木県生まれ。東京大学農学部農業生物学科卒。現在、トリブバン大学社会・文化人類学中央学部修士課程に在学中。1993年からネパールに在住し、ジャーナリストとして活動を続ける。マオイストとネパール政治に関する複数の記事をさまざまなメディアに発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
同時代に冷静な歴史的評価を下している名著
筆者はネパールマオイストに数多く取材を重ね、彼らに持つべき共感と、批判的視座を失わずにこの本を著した。そして、どうしてマオイストが生まれ、民衆に(圧倒的には消極的とは言え)支持を広げたかが説明されている。インド・中国・アメリカという大国に翻弄され、利用されてきた歴史。貧困に支配される山の少数民族。王政派からマオイストを除く共産主義者まで、政権に就くと賄賂からテロまで含めて腐敗してきた政治の貧困。機能しない「民主主義」。これらがマオイストを成長させた。センデロ・ルミノソなどのマオイストの世界での評判は最悪だ。だが、ネパールのマオイストは自己否定の契機を持っている。この本は最後のほうにこのことを示している。独善・独裁に帰した今までの共産主義運動とは違う道を辿る可能性をも示唆している。共産主義に関心のある人は要チェックの本だ。
近くて遠い国ネパールを知る事が出来ました。
ネパールが長年乱れ不安定な状況が続いていた理由がこの本で理解出来ました。
日本人はネパールと言うとエレベスト等しか思いつかない方が多いのでは無いでしょうか。
この本は日本人の小倉清子さんが10年以上にもわたり現場で得た話や実体験が記載されています。毛沢東主義のマオイストが最初に襲撃を行った時は狩猟用の旧式な銃以外、警察官が使うライフル一丁と自動性ピストル一丁しか持っていなかったそうです。それが10年後には2万人を超える規模の軍へと発展していきます。まさに「自由を求める人々の心を止めることはどんな支配者にも出来ない事」を証明し238年も続いて封建支配に終止符を打った軌跡が書かれています。同じ日本人の女性が自らの足で経過と状況を追って書き上げた事に私は感激してしまいました。話が少し前後してしまうところがあるのと、カタカナが多くて頭がすこし混乱してしまう点を除けば素晴らしい本だと思います。その点を考慮して星は4つにします。
よくまとまっている。
「王国を揺るがした60日」の続編のような作品だが、前者より要領よくまとめられており、2006年の民主化運動が生き生きと、かつ、コンパクトにまとめられている。
圧巻はマオイストの本拠地、ロルパの取材紀であろう。マオイストがこの時期になぜ出現したのか、その必然性もよく分かる。筆者はネパールに移り住んで、何度もロルパに足を運んで、ゲリラの当事者、マオイストとの間に太いパイプを築いている。この努力と勇気は賞賛に値する。命がけの作業だからである。
ネパールの内戦は終結し、王政は完全に崩壊したが、ネパールの将来は不透明である。小倉さんにはますます頑張ってもらわなければ・・・。




