商品の詳細
ドストエフスキー父殺しの文学〈下〉 (NHKブックス)

ドストエフスキー父殺しの文学〈下〉 (NHKブックス)
By 亀山 郁夫

価格: ¥ 1,218 1500円以上は送料無料 詳細

発送可能時期: 在庫あり。
販売、発送は Amazon.co.jp

7 新品/中古商品価格 ¥ 854

おすすめ度:

商品の詳細

  • Amazon.co.jp ランキング: #241314 / 本
  • 発売日: 2004-07
  • 版型: 単行本
  • 316 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
神か、革命か。皇帝権力とテロリストの果てしない闘い―「終末」の様相を深めるロシアの大地に、国家の囚人として生きる晩年のドストエフスキー。生身のキリストと罪なき子どもに託されたロシアと世界の救済。しかし、真実はどこに?『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』に刻まれた「教唆」のモチーフを辿り、ドストエフスキー文学における最大の謎「父殺し」をついに読み解く。

内容(「MARC」データベースより)
国家の囚人として生きる晩年のドストエフスキー。「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」に刻まれた「教唆」のモチーフを辿り、ドストエフスキー文学における最大の謎「父殺し」をついに読み解く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
亀山 郁夫
1949年、栃木県生まれ。東京外国語大学卒業、東京大学大学院博士課程単位取得退学。現、東京外国語大学教授。ロシア文学・文化論専攻。未来派の詩人フレーブニコフの研究からロシア文学に入り、その後、ロシア・アヴァンギャルド全体へ関心を広げ、現在は、スターリン時代の文化を研究の対象としている。主な関心は、全体主義の権力下に生きる芸術家たちの「良心」とサバイバルの手段としての芸術表現のありようだが、最近は、ソビエト時代の検閲システムにも関心を寄せ、同時代の文学さらに表象文化全般をめぐって批評活動を行っている。著書に、『磔のロシア―スターリンと芸術家たち』(岩波書店、第29回大仏次郎賞受賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

噂にたがわぬ快著5
ようやく読了しました。ところどころ飛ばし読みもしましたが、講義の部分はばっちり。前半の山場は、「女主人」の解説。驚くほどの濃密さなのに、どんどん頭のなかに入ってくるという感じです。一番すごいと感じたのは、『白痴』を論じた6、7章で、ナスターシャ・フィリッポヴナを「マゾヒスト」であり、「処女」として位置づけた部分です。巻がまたがっているので、ちょっと見落としそうですが、今まで想像だにできなかった仮説です。これで『白痴』のもっている世界は根本から変わりそうです。ドストエフスキーはもういちど最初から、っていう気になりました。次に、やはり著者が「あとがき」で書いている「ワーニカはピーテルに」の俗謡の謎解きです。これはもう読んで実感するしかありません。エピローグの旅行記もものすごい迫力でした。

難しい本です4
難しい本だというのが一読した後の感想です。”父殺し”というモティーフから、ドストエスキーの一生と作品をたどりなおした作品です。”また、その基本モティーフにより作品をたどることにより、新しいドストエフスキー像をも提示しています(180ページの”ポリフォニーから二元論””と312ページのあとがき)。この”父”自体が、ドストエフスキーの父、神、ロシアの観念的な知識人、そして時事的には当時のロシア皇帝に何重にも重ねられています。著者によるこれらの論点のディテールにわたる解説自体は非常に見事です。ただ600ページもの長丁場を進みながら、この基本モティーフの多層的な連関をきちんとおさえていくのは、ドストエフスキーの全作品を読んだことのある読者にとっても至難の技です。私自身はますますドストエフスキーの底知れぬ深さを再確認させられたというのが正直な感想です。

良い解説書5
 ドストエフスキーは非常に教養豊かである一方皇帝を無邪気にロシアの父と捉える民衆的な一面もあり、彼こそロシアのカオスの権化とも言え、読者が理解するのに非常に困難な存在である。作品中の隠喩が非常に多く(特に「白痴」)読むのに非常に知識が必要なこともドストエフスキー理解を困難にする原因の必要だろう。
 さて、作家もカオスなので解説者もカオスになるのがこの世界であり、ドストエフスキー解説書は兎角空想と逸脱のオンパレード(特に江川はドストエフスキーを性で捉える傾向にある)。しかし、本書ではドストエフスキーをフロイト的テクストで捉え、かつ伝記風に記載し、各著作の粗筋/解説も丁寧に記載。しっかりとした流れとしてドストエフスキーを捉えているので逸脱もなく、非常に理解しやすい。ドストエフスキー入門書としては最良のおすすめの書だ。