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にぎやかな天地〈上〉 (中公文庫)

にぎやかな天地〈上〉 (中公文庫)
By 宮本 輝

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  • 発売日: 2008-04
  • 版型: 文庫
  • 413 ページ

エディターレビュー

出版社 / 著者からの内容紹介
「日本の優れた発酵食品」を纏めた限定本の制作を依頼された青年編集者・船木聖司は、日本各地に糠漬、熟鮓、鰹節、醤油などを取材し、発酵の神秘に魅せられていく。

内容(「BOOK」データベースより)
三十二歳でフリー編集者の船木聖司は、謎めいた老人・松葉伊志郎の紹介により、豪華限定本の編集・製作を手がけている。今回の依頼は“日本伝統の発酵食品”を後世に伝えるための本であった。一方、祖母が遺した「ヒコイチ」という言葉の正体や、ある事故で父親を死にいたらしめた男の消息が判明し、聖司の周辺はにぎやかに動き始めるのだった。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮本 輝
1947年兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒。77年『泥の河』で太宰治賞、78年『螢川』で芥川賞を受賞する。87年には『優駿』で吉川英治文学賞受賞。2003年刊行の『約束の冬』では平成15年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

発酵食品と人間関係の不思議5
発酵食品をまとめた限定本の制作を依頼された主人公が日本各地で味噌や醤油などを取材し、それに触発されて自らも糠漬けを作り始める。普段何気なく使っている発酵食品が実に神秘的にできていることに驚く。読んでいても主人公と一緒に発酵食品のすごさに引き込まれていく。読み終えると、自分でも糠漬けを作りたくなって・・・糠漬けの参考書としても面白いし、役にたちそうだ。
 そして、この取材と同時に主人公の周りの人間関係、父の不慮の死にまつわる人間関係や祖母の抱えていた家族との複雑な関係などが解き明かされていく。そのストーリー展開の面白さもこの本の魅力となっている。発酵食品にまつわる複雑な要素と人間関係にまつわる複雑な要素がまさに「にぎやか」に繰り広げられていく。
 

しっかりした展開で一気に読ませるが、ラストが…4
 新聞連載小説を上下2巻にまとめたもの。
 主人公の船木聖司は、豪華限定本の編集・製作を手掛ける30代の独身男。日本の伝統的発酵食品を集めた豪華限定本の製作を依頼され、知己のカメラマン桐原と日本全国を取材で飛び回る。そんな中、祖母、母の生い立ちをめぐる人間関係、父の死にまつわる出来事などが複雑に絡み合った人間模様としがらみが浮かび上がってくる。発酵食品の中の目に見えない発酵菌の複雑な働きを、人間の生と死の営みに見立てた小説か。
 しっかりした展開で一気に読ませたが、ラストの結末はいかがなものか。終わり方がわからなくなっちゃった、という感じ。★4つ。