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告白 (中公文庫)

告白 (中公文庫)
By 町田 康

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  • 発売日: 2008-02
  • 版型: 文庫
  • 850 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
人はなぜ人を殺すのか―。河内音頭のスタンダードナンバーにうたいつがれる、実際に起きた大量殺人事件「河内十人斬り」をモチーフに、永遠のテーマに迫る著者渾身の長編小説。第四十一回谷崎潤一郎賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
町田 康
作家、ミュージシャン。1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。97年に処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞する。01年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞を受賞。05年に本書で谷崎潤一郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

饒舌の文学4
文庫化を機会に読んでみましたが、こういう、とにかく饒舌に語る小説がまだ生き延びる余地があることに驚きです。どこまでも語ることの気持ちよさ。しかも、明治の主人公の語り(会話文)に現代の町田の語り(地の文)がかぶさっていて、二重に饒舌。しかも、それが河内弁と標準語にしっかりわけられているかというとそうでもなく、町田の語りが河内弁になったり、主人公が標準語使ったりする。

何語を使おうと語りつくせないものが残るというのがテーマであり、それが主人公の内面を形づくっているという意味で、伝統的な物語の形をとりながらも、正統的な近代文学でもあります。

圧倒的な量(文庫で800頁以上!)にもかかわらず、後半になると終わってほしくないと思う魅惑の小説です。徹夜してでも一気に読むべし!

町田音頭5
久々に、読み終えてから寂しくなった作品でした。
熊太郎、弥太郎は何かというと博打ばかりしてる「あかん奴」なのに
どうにも魅力的で、相当に入れ込んでしまった。
何が善いことで何が悪いのかはっきりしないまま、思考や感情の渦に
まかれて訳わからん状態になったときに、羊歯がおいでおいでをしている。
その方向が合ってるかもわからない。
熊太郎の苦悶がこれでもかという程、描かれている。

町田氏の作品は読み手を選ぶようで、「告白」の単行本レビューで見られるように
人によってはだらだら長いだけの陳腐な作品となるようです。
「それって素敵」
自分のなかでは読まずに死ねるかベスト本に入る傑作です。

詰まった醤油差しの憂鬱5
文庫にして堂々3.5センチの厚み。
湊かなえ『告白』をチェックしていてその下にあった。
あまりの絶大な支持レビューが気になり購入したが
反面ロックシンガーの二足わらじとたいした期待もせず
が、町田さんゴメン!のとてつもない大傑作、大作でありました。

どなたかのレビューにも書かれてあるとうりまさに饒舌の文学です。
主人公熊太郎の内面の生き辛さ、周りとどんどんズレてゆく焦り諦めは
魅力的な河内弁に姿を借りてとうとうと語られます。
ラストに至っては延々3ページにも渡る行変えのない文字どうり「告白」が続きますが
不思議と少しも長い文章という気がしません。
挫折と慟哭の告白は パワフルな河内弁と相まって
かなりなページ量をものともせずダレルことなく最後まで読者をひきつけます。

生きづらいほどの感性を抱えて生まれてきてしまった熊五郎の思弁は
さながら<口のつまった醤油瓶>のようです。
なんとかして出よう出ようとしなからも、だらだらと垂れて本人を周りを汚す....
文中<林のなかを飛んで行き次々と割れる無数の酢醤油の瓶>が暗示的でもあります。
しかし多分に読み手の感覚を問われるのも確かで上の文章を読まれて
なんのこっちゃ!と思われた方はやめたほうが良いかも....