ノラや (中公文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #47792 / 本
- 発売日: 1997-01
- 版型: 文庫
- 321 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
ふとした縁で家で育てながら、ある日庭の繁みから消えてしまった野良猫のノラ。ついで居つきながらも病死した迷い猫のクルツ―愛猫さがしに英文広告まで作り、「ノラやお前はどこへ行ってしまったのか」と涙堰きあえず、垂死の猫に毎日来診を乞い、一喜一憂する老百〓先生の、あわれにもおかしく、情愛と機知とに満たち愉快な連作14篇。
カスタマーレビュー
猫の愛し方
いつのまにか一緒に暮らし始めた猫(ノラ)が、ある日突然消えてしまった。
そのたったひとつの出来事が、いかに大きな悲しみを生み、今日を変えてしまうか。
何をしていても、何処にいても、些細なきっかけで思い出し、涙が出る。
その繰り返しが延々と綴られています。
そしてその悲しみを癒すために現れたようなもう一匹の猫(クル)。
「ただ一つの心遣りは、帰つてこなくなったノラと違つて、してやり度いだけの事はみんなしてやつた。クルがしたがつた事はみなさせてやつた。」
この一節を読むだけでも、作者がどんなに真剣な愛情を注いだか想像できると思います。
「ノラや」「クルや」と呼びかける作者の声が聞こえてくる一冊。
ノラやノラやノラや。
雑誌などの色々な猫特集では必ず挙げられ、猫好きなら一度は読むべし、と言う名著。内田百間ならではの文章が文句無しに心を揺さぶります。「合点のいかない顔で抱かれていたノラ」というくだりが大好きです。ノラはどこへいったのでせう。
切なく、ほの甘い
ノラとクルツを巡る騒動は、「おかしくて笑える」というよりも「切なくて悲しいのに読後感が暖かい」というほうがふさわしいのではなかろうか。個人的には、失踪したノラ以上に、クルツのくだりが印象深い。クルツの好きなお刺身の話が急転直下で状況が一変する描写には「…あっ」と思った。
解説で引用された手紙も心温まるもので、ノラ失踪時、百鬼園先生のそばにいた人の語るエピソードも含め、最後の1ページまでよかった。旧仮名使いが、やはり合う。
百鬼園先生の人となりを味わう良著である。就寝前に読むと優しい気持ちになれる1冊。





