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人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか (中公新書)

人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか (中公新書)
By 河野 稠果

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  • 発売日: 2007-08
  • 版型: 新書
  • 282 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
二〇〇五年から始まった日本の人口減少。一〇〇年後には半減と予測されている。北・西ヨーロッパに端を発し、いまや世界人口の半分を覆った少子化は、なぜ進むのか―。急激な人口減少が社会問題化するなか、急速に脚光を浴びる人口学だが、戦前の国策に与したと見られ、近年まで疎んじられてきた。本書は、人口学の入門書として、人口の基礎的な考え方、理論、研究の最前線、少子化のメカニズムなどを平易に解説する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
河野 稠果
1930(昭和5)年広島県生まれ。58年米国ブラウン大学大学院社会学研究科博士課程修了(Ph.D.社会学)。同年厚生省人口問題研究所入所。61~63年インド・ボンベイ国連人口研修・研究センター教授として出向。67年国連本部人口部専門官へ転任。73~78年同人口推計課長。78年厚生省人口問題研究所へ人口情報部長として転任。82年同研究所人口政策部長。86年同研究所所長。93年同所長退任、麗澤大学国際経済学部教授。2006年同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

食料、経済、医療、民族的風習から性のあり方まであらゆることを視野に入れて考える人口学のおもしろさ5
地味な学術入門書に見えるが、内容は数学的な推計の議論から、経済学や社会学、農業・医療・福祉・教育・宗教・思想等ありとあらゆる学問分野を動員し、人間の未来を描き出している驚愕の書。晩婚、非婚、避妊、人工妊娠中絶、あるいはセックスレスによる出生率の低下P.181により、2055年の日本は65歳以上の高齢者が4割を超える超高齢化社会に突入p.246。日本は先進国の中で最も中絶が多く、出生数の27.2%に当たる年間約23万人もの胎児が中絶されているといったショッキングな話p.160や、家事を主婦に押し付ける国では明らかに出生率が低くなっているp.206ことなど、社会のあり方を議論する材料となる数字が満載。ほとんど全ての説明が数字で裏付けられているので、非常に説得力がある本。人口に関しては、私達がいかに偏見を抱いているか解かる。

少子化問題をイデオロギー論争にしないために5
イデオロギー論争になりがちな「少子化論争」を事実に基づいて議論するために必要な情報がこの本には詰まっている。
我々は合計特殊出生率や平均寿命や生命表の意味をどれだけ知っているか。期待こども数と出生率の関係を知っているか?
最低限、この程度の知識がなければ、少子化問題に口を出す資格はないと思われる。

人口学は面白い!5
国連人口部で働き国立人口問題研究所の所長も務めた碩学による、人口学という学問の「入門書」である。
人口学いかに興味深いかということを示してくれている。

個人的には「『人口爆発』は過去のものとなった」「途上国でも出生率は減少している」という事実に驚きを覚えた。国民所得が必ずしも向上していない途上国でも出生率の低下が起きている。その有力な説明として「規範の伝播・拡散論」という学説があるという紹介は極めて面白かった。「子どもは少ない方がよい」という「規範」が途上国に普及した結果、出生率が下がったというものだ。筆者はそこまで言及していないが、これは「グローバル資本主義の浸透」と同じことではないかと思われる。すなわち、農業生産力としての子どもよりももっと魅力的な商品(それは自動車かもしれないしテレビかもしれない)が農村に浸透した結果、子を多く持つよりも商品を多く持つ方が社会的威信を得られるように変わったのではないか。こういう説明は、高度成長後半から始まる我が国の出生率低下の理由も、うまく説明すると思われる。

かくのごとく、人口学とは社会の実相をリアルに切り出して我々に見せてくれる。実に面白い学問なのである。