在日の耐えられない軽さ (中公新書)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #50805 / 本
- 発売日: 2006-08
- 版型: 新書
- 194 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
父は一九二〇年代に来日した、日本語小説を書いた最初の朝鮮人で、のちに皇道思想家。戦後は心の病に冒され、六〇年にひとり帰国した―。父や母の歴史と子供たちの人生との間にはどのようにつながりがあるのか。本書は、ひとつの「在日」家族の誕生から終焉まで、そして、そのひとりひとりの生き方を、戦前から現在にいたる日本と韓国の関係と重ね合わせて描くことによって、新たな認識と洞察を読者にもたらす。
内容(「MARC」データベースより)
父は1920年代に来日した、日本語小説を書いた最初の朝鮮人で、後に皇道思想家。戦後は心の病に冒され、60年にひとり帰国した-。ひとつの「在日」家族の誕生から終焉までを、日本と韓国の関係と重ね合せて描く。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鄭 大均
1948年(昭和23年)、岩手県に生まれる。立教大学とUCLAで学ぶ。81年に渡韓、啓明大学校外国学大学副教授等を経て95年に帰国。首都大学東京・人文科学研究科教授。ナショナル・アイデンティティ、エスニック研究専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
珍しい自伝的作品
この著者としては珍しい自伝的作品。
日本語小説を書いた最初の朝鮮人で、のちに皇道思想家。戦後は心の病に冒され、1人で韓国に帰国。そんな父の風景から著者の人生は始まる。信仰の道にはいることにより自分の意志で生きるようになった母。民族活動家になるも最後まで父の世界に拘束されたまま生涯を終えた兄。
著者は家族の肖像から在日という存在を突き詰めていこうとする。
その究極とも言える存在が妹である。
管理職試験の外国籍による拒否を最高裁まで争った妹。日本国籍を取得し、日本国民としての在日の方向性を目指す著者とは大きく立場を異にする妹。そんな兄妹の中にはそれぞれ父の影響が色濃く残る。
私は在日という存在や在日の人々の家族像というものは正直、よく知らない。
それでもこの家族はかなりユニークな存在であるとは思う。そしてユニークでありながら、在日という存在の一面を鮮やかに表しているようにも感じる。
この本を読んでいる途中に思ったのは妹が殆ど出てこないことであった。著者の妹の裁判についてはこの著者の書いた文章も読んだことがあった。しかし、5章まで妹がいると言うことが読み取れる箇所がわずかに読み取れるのみであった。5章にたどり着くまでは著者の立場に一抹の疑念を抱いていたが、5章を読んで、それまで妹の存在が見えなかったことも了解できた。父・母・兄と違ってまだ存命と言うこともあろうが、それ以上に書かなかったのではなく、書けなかったのだろう。
おそらく、著者にとって、妹とは在日という存在の半面ではないのか。父という存在の半身ではないのか。著者にとって妹は自身が精算する必要のある存在なのであろう。
珍しいけど、いまいち
在日について本人の目からかかれた点で珍しさは評価に値するが、珍しいといっても
それほど、初めて知る知識、在日しか知りえない知識は得られなかった
作者の自叙伝的といわれても、ひとくくりに在日といえない、環境や育ち方を考えると
多くの在日の人の一般論でもなさそうだ
悲しい事に日本人として生きてきたから、日本人そのものが書いたともいえる価値観にたって
書かれている事実は、一般的日本人が認識しているそれと変わらない。
在日との理由で公務員試験を落とされたと東京都を訴えた女性の兄らしい
が他のレビューにも書かれているように、妹の事は何も書かれていない
妹の事が書かれていたり、妹が書いた本なら、もっと面白かったのかもしれない
著者の実体験を通して「在日」を新たに知る
この日本には「在日」と呼ばれる人々が多数暮らしていることは誰でも知っている。が、彼らについて、私は正直、型どおりのことしか知らなかった。「戦前に日本によって強制的に連れてこられ、虐げられながら日本社会で生きてきた、かわいそうな人々」であり、「反骨心をバネにして、スポーツ界や芸能界で活躍する人が多数いるらしい」ということである。しかし、それはあくまでメディアによって敷衍されたイメージであって、具体的に、そういう人を知っているわけではない(もちろん、私の身のまわりにも在日であることを公言している人はいるが、その人たちが上記のイメージにあてはまるかといえば、それは人それぞれである)
この本は、鄭大均という在日韓国人の著者が、自らとその家族の半生をつづった自叙伝的作品である。幼い頃の貧しさ、病的な父、懸命に働きながら家族を支えたクリスチャンの母、そして自分自身がそのような中で、自らのアイデンティティを求めてさまよい、日本国籍を得るまでの歩みが描かれている。
その中で、50年代に盛んにメディアを通じて行われた、北朝鮮のイメージ工作の実態であるとか、外国人参政権の問題点などにも触れられており、日本と韓国の狭間で生きる「在日」の人々への認識が新たにされる。「在日」である人にとっても、今後自分がどの国でどのように生きるべきなのか、一つの示唆となるのではないだろうか。




