川の光
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #53858 / 本
- 発売日: 2007-07
- 版型: 単行本
- 389 ページ
エディターレビュー
出版社 / 著者からの内容紹介
『読売新聞』大人気連載の単行本化。川辺の棲みかを追われたネズミ一家が、新天地を求めて旅に出る。小さな命の躍動を余すことなく描き出した冒険物語
内容(「BOOK」データベースより)
平和な川辺の暮らしは失われた。晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松浦 寿輝
1954年、東京都生まれ。詩人、小説家、批評家、東京大学教授(表象文化論)。1988年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、2000年小説『花腐し』で芥川賞、2005年『半島』で読売文学賞を受賞するなど、縦横の活躍を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
川の光を求めて
読売新聞の夕刊に連載されていた小説が、加筆され単行本になりました。
主人公はクマネズミの親子。安住の地を追われ、新たなすみかを求めて旅立ちます。
このようなある種のファンタジーは、読者をその世界にどうやって誘うかが鍵になりますね。
いわば、入り口をどうするか。。いきなりその世界の住人として物語を始めるか
あるいは、何か我々の世界と共通の“物”をきっかけにするか。
この小説では、私たちの“感覚”をその入り口にしています。
プロローグに書かれている「そんなことはできないに決まっているけれど、
もしあなたがまったく足音を立てずに歩けるのであれば〜」の部分から、
読者はねずみたちの世界に入って行くのです。この入り方は新鮮でした!
物語はハラハラドキドキの連続です。そして登場する動物たちがとても愛らしいです。
ねずみたちの命がけの旅をささえるものは、「川の光を求めて」という言葉。
「川の光」は自分の在り方、生き方の理想を表す象徴なのでしょう。
今の社会、「川の光」を心に持たない人、見失っている人も多いのではないでしょうか。
私自身も考えさせられました。
挿し絵も新聞連載時と同じ島津和子さんです。たくさん入っているので目でも楽しめます。
夏休みに、親子で読まれてはいかがでしょうか。
☆4つの評価は一般の方向けです。私はハムスターを飼っているので心の中の☆は5つです。
川の水はいつも新しい
川辺に住むクマネズミの親子の冒険物語です。
と、単純に言っていい作品ではないと思います。
この作品の中に、「川」に対する描写がいろいろ出てきますが、エピローグに「川の流れは止まることがない。・・・川の水はいつも新しい。・・・川と一緒にいるかぎり、いつだって新しい自分自身になることができる。」という言葉が出てきます。
物語の発端は、木々を切り倒し整地して、川にふたをして地面を造るという人間の行為によって、棲み家を失ったネズミの一家の旅立ちです。
人間たちが自然を破壊して動物たちに犠牲を強いる、そんな話になっています。ネズミが死に掛けた時、こんな言葉がでてきます。「自分たちの安逸のことしか考えないニンゲンの好き勝手のしほうだいのせいで、あんなに美しかった緑の星は、今どんどん荒れつつある」。
ところで、この物語は何故人間を主人公にして書けなかったのでしょうか?読めば解るのですが、ネズミたちを助ける動物たちがいます。ネコ、イヌ、スズメ、モグラそしてドブネズミ。彼らは、何の欲得もなく彼らを助けます。時には、お節介とさえも思えます。この仲間意識、コミュニティ。現代人が失ってきたものが、ここにあります。それを、人間ではなくネズミで書いたことに、この作品の意味があると思います。
小さな命が教えてくれた
これだけ読みやすく、奥の深い小説は今まで読んだ事がありません。
私の中で「良い文章」というのは、感情移入しやすいという事が一番です。
読売新聞の連載を毎日、仕事が終わると夢中になって読んだのは初めての事です。
ネズミという存在は一般的に汚くて見つけたら即退治の対象になる。
それは人間の生活を優先して見れば仕方のない事でしょう。
私もネズミを見たら「汚い生き物」と決め付けていたのですから。
しかし人間はそれほど偉い生き物なのでしょうか?
「宇宙から見れば、人間もネズミも同じ小さな生き物」
この本を読んでからそう思うようになりました。
チッチ タータ お父さん 3匹に巻き起こる事柄はまさに明日の自分の姿。
優しさも無関心も無意識も嫌がらせも、小さなネズミにとっては命と引き換え。
自分の不幸を誰かの責任に仕立て、嘆いてばかりいた昨日までが愚かであったと
川の光は教えてくれたのです。
可愛らしいイラストと共にいつもいつまでも浄化してくれる1冊となるでしょう。
迷うメガネデブ





