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手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)

手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)
By コリン・P.A. ジョーンズ

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  • 発売日: 2008-10
  • 版型: 新書
  • 207 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
絶対不利な状況でも諦めない。白を黒に言いくるめ、絶妙の切り返しで逆転する。大企業から莫大な賠償金を勝ち取り、国家相手にも一歩も引かない。
訴訟先進国、アメリカで活動する弁護士たちは「手ごわい頭脳」をいかにして手に入れているのか。イシュー・スポッティング、ファクト・ファインディング、アナロジー等々、彼らの思考法とリーガル・マインドを現役アメリカン・ローヤーが解説する。

内容(「BOOK」データベースより)
絶対不利な状況でも諦めない。白を黒と言いくるめ、絶妙の切り返しで逆転する。大企業から莫大な賠償金を勝ち取り、国家相手にも一歩も引かない。訴訟先進国アメリカで活動する弁護士たちは、「手ごわい頭脳」をいかにして手に入れているのか。イシュー・スポッティング、ファクト・ファインディング、アナロジー等々、彼らの思考法とリーガル・マインドを、現役アメリカン・ローヤーが解説する。

著者について
コリンP.A.ジョーンズ 1965年、米国、コロラド州生まれ。カリフォルニア大学バークレイ卒業。東北大学大学院法学研究科博士前記過程修了・デューク大学ロースクール修了。弁護士(ニューヨーク州、グアム準州、パラオ)として、米国大手事務所や企業内法務を経て、現在同志社大学法科大学院教授。アメリカ契約法などを教える。


カスタマーレビュー

法的事実の発見4
 著者がロ−スク−ルで教えているからでしょうか、新司法試験浪人としては、アメリカのロースクールでの教育方法、内容は興味深く読みました。最近の答案練習では問題の中から、法的に重要な事実を拾い出すのにこの本のことを思い出すことがあります。その点で役立っていると思います。

アメリカに限らず、「弁護士」という存在(役割)に関する優れた考察4
副題には「アメリカン弁護士の思考法」とあるが、当該テーマを論じるのは第2章及び第4章あたりのみで、他の部分は米国の司法制度全般に関するよき入門書という趣きの一書。(quizを多数交えるなど、叙述は大変面白く分かりやすい。)

「アメリカン弁護士の思考法」の特質を一言で云うならば、それは事実認定を陪審が行なうこととの関係で、適切な「issue spotting」(法的に有意義な(significant)な事実の発見)とクライアントを擁護するための議論の正当化手法(アナロジーなど)の二点ということになろう。本書を読むと、特に米国の弁護士は、何よりもまず優れた言語能力が要求されることがよく判る。また、著者が最後に述べるように(204頁)、自分の良心が引き受けることを許さないような事件であってもそれを引き受け、なおクライアントのために最善を尽くす精神的なタフネスがなければ、弱者の権利を守ることなど出来はしないであろう。

その他、(1)「battery」(不法接触、損害や根拠のない恐怖感は要件としない)の議論や(2)「jury nullification」(陪審による法の無視、「not guilty」と「innocent」とは異なるということ)なども興味深かった。

それにしても、話は跳ぶが、自主独立の要諦が「三権分立」にあるとすれば、州が独自の自律的司法権を持つ米国の地方自治とわが国のそれとの開きは、依然絶望的なほどである。

「(アメリカン)弁護士にとって、法律は森のようなもの」だそうです5
筆者は18歳で日本に留学、NY州の弁護士として10年以上の経験をつんで、2005年から日本で教鞭を取っています。日本人が書いたかのような本書の文体や思考の流れには、日本人の奥様の手助けは当然あったでしょうが、法律・法学の門外漢の自分でも理解できる読みやすさがあります。

陪審員制度の章では、アメリカの法律制度が“政府に対する深い不信を大前提にしている”ことが背景にある、地方(一審)裁判所でしか陪審員制度がない、陪審員が「not guilty」と決めたら、絶対控訴できないなどを知り、いろいろなハリウッド映画を観て感じていた疑問が解けました。そして、一般市民が重要なことを決める、という理念がなぜ継承されているかに共感を覚えました。

裁判での勝敗に“本当か嘘かは重要ではあるが、決定的な要因ではない”というアメリカン弁護士の考えは、感情論では抵抗がありますが、言葉の定義、解釈や拡大解釈などでは、自分が過去に痛い目にあったような仕事を思い出し、思わずうなずいてしまいました。

筆者はさらに、有意義な主張のための重要な2点を挙げます。(その1)今ある法律は何のためにあり、何が目的なのか、(その2)法律はその目的をどのように果たそうとしているのか。それに対して自分がどう取り組むかは、“弁護士にとって、法律は森のようなものだ”という筆者の巧みな比喩が参考になることでしょう。そして、本書の核心部分もここにあるように感じます。

法律の本は難しいとこれまで敬遠していた自分ですが、その”玄関先”を垣間見れたようで面白かったです。