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黒いスイス (新潮新書)

黒いスイス (新潮新書)
By 福原 直樹

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  • 発売日: 2004-03
  • 版型: 新書
  • 206 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
永世中立国で世界有数の治安のよさ。米国などを抜き、常に「住んでみたい国」の上位に名を連ねる国、スイス。しかしその実態は―。「優生学」的立場からロマ族を殲滅しようと画策、映画“サウンド・オブ・ミュージック”とは裏腹にユダヤ人難民をナチスに追い返していた過去、永世中立の名の下に核配備計画が進行、“銀行の国”でまかり通るマネーロンダリング…。独自の視点と取材で次々と驚くべき真相を明かす。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
福原 直樹
1957(昭和32)年東京生まれ。毎日新聞外信部ブリュッセル(ベルギー)支局長。北海道大学法学部卒。82年に毎日新聞社に入社。東京本社社会部で警視庁や運輸省担当などを歴任。94年より外信部に移り、六年間、ジュネーブ(スイス)特派員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

非常識なのはどちらだろうかと考えさせられる一冊4
周りをフランス、イタリア、ドイツ、オーストリアといった列強に囲まれながら、なぜ小国スイスが近現代を生き延びることができたのかを考えさせられる一冊。「面積世界第132位、人口世界第93位の国家が、一人当たりのGNPで日本を上回り、失業率0.007%であるのはなぜか?スイスの永世中立を隣国が認めるのはなぜか?」という動機を持って本書を読むと、それは魔法でもなんでもなく、スイス人の気質とその政策から導き出される当然の結果であることが分かるだろう。軍事についてだけ言っておけば、スイスの民間防衛は世界一である。隣国は攻めないのではなく、攻められないのである。

日本とスイスのどちらが世界の非常識国家であるかは読者の判断に任せたいが、少なくとも自分の命を守ること、自らの勤労によって得たものを他人に奪われないようにすること、知らない人間よりも家族や隣人の幸福を優先して考えることに関してスイス人が日本人よりも「真面目」であることは疑い得ない。そうしたスイス人の気質は本書ではマイナスに評価されているが、知っておいて損はないことが多くかかれていると言う意味で星四つ。
しかし「美しい理想国家のウソを暴く」だけではもったいないと思う。読んでからいろいろ考えてもらいたい一冊である。

スイスという国を多角的に理解するためには必読5
観光名所、永世中立国としてのクリーンなイメージが強いスイスの裏の姿を記者としての観点から、麻薬、ナチス・ドイツ、核疑惑など色々な社会問題や歴史的な課題をテーマ毎に解説しています。一度でもスイスに行った事ある方なら「なるほど、そういうことだったのか!」と思える話が少なくないと思いますよ。これから旅行する予定がある方や漠然とスイス全般に興味ある方は必読です。

普通の国スイス5
大戦中ナチスに裏協力した永世中立国としてスウェーデンとスイスが良く知られている。平和国家としてのイメージの強いスイスの暗部を取り上げることでこの国を多角的に見る視座を与える本で、決してスイスをこき下ろしたりする意図は著者にはない。しかし事実を知らなかった人には、ロマ(ジプシー)への優生学的処置、避難ユダヤ人の追い返し、核開発、外国人に極めて排他的な国民性、そして世界中の国家や犯罪組織が利用するスイス金融機関におけるマネーロンダリング天国の事実を突き付けられると、正直辟易するかもしれない。この本で分かることは、この国は小国であって中立という建前と上のような処世的な本音を使い分けなければ、生き延びられないという「普通の国」であるということかもしれない。