絶叫城殺人事件 (新潮エンターテインメント倶楽部SS)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #627761 / 本
- 発売日: 2001-10
- 版型: 単行本
- 318 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
黒鳥亭、それがすべての始まりだった。壷中庵、月宮殿、雪華楼、紅雨荘…。殺人事件の現場はそれぞれ、独特のアウラを放つ館であった。臨床犯罪学者・火村英生と作家・有栖川有栖のふたりが突きとめた、真相とは。そして、大都市を恐怖で覆い尽くした、猟奇的な連続殺人!影なき殺人鬼=ナイト・プローラーは、あの“絶叫城”の住人なのか!?本格推理小説の旗手が、存分に腕を振るった、傑作短編集。
内容(「MARC」データベースより)
奇妙な影を落とす黒鳥亭、壷中庵、月宮殿、雪華楼、紅雨荘、絶叫城の6つの館。独特なアウラをまとう建物で、殺人が続く。そして、無差別的連続殺人事件が起きた…。事件の鍵はどの部屋に? 火村とアリスが謎の迷宮に挑む。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
有栖川 有栖
1959年、大阪生れ。89年、『月光ゲーム』にてデビュー。作品の高度な論理性から、「90年代のクィーン」との評価を受ける。92年発表の『双頭の悪魔』で、フーダニットにおけるひとつの頂点を極めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
シリーズの里程標
「宿もの」の前作『暗い宿』よりも、(装丁からして)よりダークな雰囲気。元はバラバラに発表された作品群だが、一冊になって配置の妙もある。ちなみに冒頭の「黒鳥亭」では、何故か子供あしらいが異常にうまい火村の、とても繊細で優しい一面が見られる。
火村の強靭さともろさの両面性は、推理の面白さと共に読者をひきつける魅力である。「絶叫城」ではかつてないタイプの犯罪者に対峙する中で、自らを削ることによって砥ぎ澄まされていく刃のような美しさがある。時に非情、時にストイック、そして途轍もなく優しい彼の軌跡は、是非これまでの作品で読んでほしい。
この『絶叫城殺人事件』以降、親友アリスと火村教授の位置づけがよりはっきりしてくる。
同じ途方もない”淵”を覗くようになっても、どこか少年同士のような初々しさを残しつつ、それでいて口には出さずとも大人の友情を確立している・・・暗い雰囲気が増しても、このコンビには、いつもどこか救われる。この『絶叫城殺人事件』は、シリーズの素晴らしい里程標といえるだろう。この後の作品『マレー鉄道の殺人』では、初めて外国での殺人に挑む。熱帯の空気も手伝ってか、明るさはあってホッとするし、お互いのボケツッコミもますます快調。ただこの作品ではアリスはついに火村にズバリ問うている。
「・・・お前は何と戦っとるんや?」
また、『「ABC」殺人事件』における、アリスの火村に対する「心の平安の対極ばかりを見つめている」という表現も言いえて妙だ。そして実のところ、作家という仕事に生かしもしないのに実際の犯罪捜査にアリスもついて回っている理由は、この強さと脆さをもった友人を見守りたい、という気持ちからであると正直に吐露している。いささか先走ってしまったが、「絶叫城」以降より魅力あるものになったこのコンビの先がますます楽しみなのである。早く新作の長編が読みたいものだ。
叙情的な余韻が尾を引くふたつの作品が味わい深く、印象に残るミステリ
ネット上の「作家の読書道」というサイトで、三浦しをんさんが「有栖川さんのミステリのなかでも面白かった一冊」と本書を挙げていらしたのに興味を引かれ、読んでみました。
犯罪社会学者の火村英生(ひむら ひでお)、推理小説作家の有栖川有栖(ありすがわ ありす)。ホームズとワトスンを思わせるふたりがコンビを組んで、殺人事件の謎に挑む話が六つ。「黒鳥亭殺人事件」「壺中庵殺人事件」「月宮殿殺人事件」「雪華楼殺人事件」「紅雨荘殺人事件」「絶叫城殺人事件」が収録された作品集です。
このなかでは、「黒鳥亭殺人事件」と「絶叫城殺人事件」の二作品が断然魅力的。他の作品と比べて、傑出した出来映えでした。
「黒鳥亭」「絶叫城」とも、×××が事件の重要なファクターとなっています。それが本筋の事件とどう結びつくのか。迷った末に伏せ字にしましたが、この×××と事件との絡ませ具合が巧いですね。
また、読後に響く余韻ということでも味わいのある、印象に残る両作品でした。
火村とアリスの良きパートナーぶりが伺えるという点では、表題作の「絶叫城」が一番でしょう。文庫では、312~313頁にかけての記述。火村を気遣うアリスの独白に、ぐっときました。
6つの屋敷と6つの殺人事件
読書の秋にふさわしく新潮社から出た有栖川有栖の短編集。前作、「暗い宿」とはまた一風変わった短編集に仕上がっている。
しかもこの本の作品のいくつかはなんと5年前に書いたものもある。いわば著者の成長が分かるのである。
この作品は登場人物、殺害方法、それら全てがバラバラなのにどこか共通のものを感じる。
わたしが個人的に好みな作品は「絶叫城殺人事件」で著者の現在の作風が新しく塗り替えられた。とわたしは感じた。探偵役の火村の犯人への詰めより方がとても美しく、また語り手であるアリスも底知れぬ人を殺すという奈落を垣間見て絶望を感じる・・・そんな部分を著者がおしみなく書いていてわたしはこの本に最高点をあげたい。





