英語教師 夏目漱石 (新潮選書)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #155281 / 本
- 発売日: 2000-04
- 版型: 単行本
- 253 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
子どもの頃、英語嫌いだった漱石は、いかに学び、どう教えるようになったのか。漱石が作った入試問題、漱石の授業参観、実践した授業方法、教え子との交流などを織り込みながら、その現代にも通じる英語教育論を明らかにする。
内容(「MARC」データベースより)
子どもの頃、英語嫌いだった漱石は、いかに学び、どう教えるようになったのか。漱石が作った入試問題、実践した授業方法、教え子との交流などを織り込みながら、その現代にも通じる英語教育論を明らかにする。〈ソフトカバー〉
カスタマーレビュー
読後雑感
歴史に「もし」はありませんが、当該書籍(特に、第2章「漱石の英語教育論」)を読みながら、「洋行帰りの漱石が『小説家』の道を選ぶことなく、教育者として、教育の現場に留まり、日本の教育行政に多大の影響を与えうる立場に仮にいたとしたなら、今日の英語教育の現場はだいぶ違っていただろうに・・』との感慨を深くいたしました。
教育者が教育に邁進、専念することができうるように俸給をよくすべきであると、漱石が考えていたことが、当該書籍に示されていますが、実際、漱石自身、その点にだいぶ「拘泥」して自分の進路を定めていった様子が示されています。また、教え子たちの就職の周旋のために骨折っている漱石についての記述もあります。そうした記述から、生活者としての漱石の姿が思いに浮かんでほほえましくもありました。
当該書籍は、当時の日本青年の英語習得の様子や英語読解力、作文力等も知ることのできる書籍でもあります。「わずか2年半の間に(英検)4級レベルから1級レベルに学力を(奇跡的に)向上させた」漱石ではありますが、その漱石も「当時、大学で学ぶことを志した学生一般」の間での「席次は決してよくなかったという事実」を知ることのできる本でもあります。
英語教師としての漱石が浮き彫りに
英文学者ではなくて、英語教師としての漱石に焦点を当てた快作。当時、既に存在した難解な英文解釈主体の受験英語ではなく、「聞く・話す・読む・書く」をバランス良く学習させようと奮闘していた英語教師漱石の姿が、残された資料から浮かび上がっています。あまり目にすることのない直筆の英作文や試験問題も掲載されていて、現代に通じる英語教師漱石がより身近に感じられます。
おもしろいです
本書では、英語教師として教鞭をとった漱石が、赴任した先々で、その時々において英語についてどのような考えを持ち、どのような方針に基づいて英語を扱い、またいかに生徒と接し、生徒とどんな衝突があったのか、などについて、漱石の英語論や自作の試験問題、当時かかわった人の証言などを駆使して、詳細にかつわかりやすく論じられている。教師にむいていないと自分でいいながらも、決して手抜きをせずに生徒に向き合った漱石の真摯な姿がうかんでくる。
漱石の英語力も詳しく調べられている。著者は、漱石が学生のころに書いた英作文と同タイトルで、現役東大生二人に作文してもらい、漱石とその二人の力比べをしていおり、これは興味深い。漱石がロンドンで神経衰弱となった原因のひとつとして、英語が通じなかったことがよくいわれるが、現実にはコックニーがわからなかっただけで、教養人との会話はまったく苦労していないものであることが本書では示される。漱石に対して最初敵愾心を強くいだいていた学生でも、他の先生には不明だった点も涼しい顔で答えるその圧倒的な英語の実力と、明晰な講義に感服せずにおれなかったようだ。
漱石の小説は多くの人が親しんだだろうし、小説家の前に先生だったことはよく知られているが、「実際のところどんな英語教師だったんだろう」と、気になった人はまず本書にあたれば間違いはないと思う。




