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アンジェラの灰  新潮クレスト・ブックス

アンジェラの灰 新潮クレスト・ブックス
By フランク マコート

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  • Amazon.co.jp ランキング: #125941 / 本
  • 発売日: 1998-07
  • 版型: 単行本
  • 574 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
飲んだくれで、愛国主義者で、生活能力のない父。涙にくれる母アンジェラ。空腹と戦い、たくましく生きる子どもたち―1930年代のアイルランド南西部の町リムリックを舞台に、極貧のマコート一家の日々と少年の心の奥を、ユーモアとペーソス溢れる美しい文章で描き上げた珠玉の回想録。

内容(「MARC」データベースより)
父親はどうしようもない飲んだくれ、兄妹は病気でぽろぽろと死んでしまう。アイルランドの極貧家庭に育った少年の日々をユーモアと天性の語り口で描く、涙と笑いと感動の回想録。ピュリツァー賞受賞作。〈ソフトカバー〉


カスタマーレビュー

くすくす笑える悲惨な話5
 映画から興味が湧いて本を読むのはよくあることだが、この本の場合には正確には「映画の予告編」がきっかけだった。もっと厳密には予告編に登場する子どもの表情に心を惹かれたのだ。何というか「不屈の面構え」とでもいうべき顔の子どもが登場する。いったいこんな顔の子どもが出てくる原作とはどんなものか読んでみたくなった。で、実際に本屋で手にとってみてその分量に驚いた。550頁を越える頁数があるのだ。正直言って全部読み通せるか不安を抱きながら読み始めたが、最初の数頁でそれは杞憂であることがわかった。

 この本はひとりのアイルランド系アメリカ人の自伝なのだが、大恐慌期から第二次世界大戦直後までの少年時代を──子どもの視点から──回想したものである。移民の両親と過ごしたア!メリカでの日々、貧困に耐えかねて故郷アイルランドへの帰還、しかしそこでの輪をかけての貧しさ、ボロボロと死んでいく弟や妹たち、失業保険まで飲み代にしてしまう父親、そして不思議なことに次々と生まれる赤ん坊などなど。この本で語られていることは客観的には「悲惨」の一言なのだが、その悲惨さとは不似合いな明るさとユーモアがたっぷり含まれている。くすくす笑える部分が随所にある。この本を読みながらわたし自身も高度成長期以前の日本の貧しい暮らしと、その中で過ごした──「貧困=不幸」「金持ち=幸福」という等式では理解できない──子ども時代の愉快な日々を再体験していた。

 非常に深い感銘を与える本で、50歳以上の人には特におすすめしたい。

最高の一冊5
私の今まで読んだ本の中の最高の一冊です。貧困・宗教など、今の日本では考えられない貧しい、厳しい時代にたくましく、生きる作者の姿が悲しげではなく、常に前向きに生きていく姿、とても感動します。ただの感動物語ではなくとてもユーモアもあり、時間を忘れてよみきりました。映画化もされとてもよくできていました。日本は不景気だけど私は前向きに生きていきます。この本からはたくさんのことが学べたから。

人生を謳歌するための1冊5
 父親はどうしようもない飲んだくれ、幼い弟妹はつぎつぎ病死する。
 悲惨にまた悲惨を重ねた赤貧の幼少時代をマコート氏がユーモアとウィットに富む語り口で描いている。

 ぼろをまとい、空腹に耐え、死と隣り合わせの日々を送りながら、少年は逞しく生きてゆく。その姿にいじけたところは微塵もない。むしろ明日への希望を糧にして、夢へと突き進むしたたかさに感服せずにはいられない。

 かつてバブルにはしゃぎ、のほほんと胡座をかいていた日本人はいつしかどん底で生き抜く力を失ってしまった。だからいざ不景気になると不安ばかりが先行し、各々の磁針が壊れて右往左往してしまう。 
マコート一家をはじめ、この作品に登場する人たちのいきざまは、私たちがこれから人生を謳歌するためのヒントになるであろう。このご時世だからこそ、ぜひともお勧めしたい1冊である。