ゾルゲ 引裂かれたスパイ
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #478333 / 本
- 発売日: 1996-06
- 版型: 単行本
- 434 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
女たらし、酒好き、独大使館ブレーン、敏腕特派員、そしてソ連東京諜報網のトップ…20世紀最大の国際スパイ、ゾルゲ。未公開だったKGB極秘文書をはじめ、半世紀の沈黙を破った愛人達への徹底取材をもとに、ゾルゲの絶望と苦悩の生涯を、気鋭のジャーナリストが描く。モスクワで諜報訓練を受けたゾルゲは、上海から東京に舞い降りる。時は太平洋戦争前夜。日本軍はソ連を攻めるべきか、南方へ展開すべきか、ぎりぎりの決断を迫られていた…。「日本軍、南進ス」東京から一本の密電がスターリンに向け、発せられた。日独露に翻弄され、祖国にも見棄てられたスパイの知られざる素顔を、未公開文書と愛人達の新証言から浮き彫りにする。
内容(「MARC」データベースより)
女たらし、酒好き、独大使館ブレーン、敏腕特派員、そしてソ連東京諜報網のトップ…。今世紀最大のスパイ・ゾルゲ。彼の絶望と苦悩の生涯を、KGB未公開文書と愛人達の新証言から浮き彫りにする。
カスタマーレビュー
映画とは無関係に読むに値する傑作ノンフィクション
文庫になったのを機に、今後ゾルゲに関心をもつ人は、類書(もちろんそのすべてを目にしたわけではないけれど)を後回しにして、本書から読み進むべきだと確信する。
理由1、情報が詳細で構成が緊密。日本はもとより欧米でも未知数の資料だった旧ソ連の秘密文書をはじめ、各国のゾルゲ資料、関係者の証言(証言者の中にはゾルゲの元愛人もいる)など、広汎な取材が与える迫力、それを活かす構成が冒頭から最後まで揺るぎない。理由2、外国人ジャーナリストの手になるため、1920~40年代の日本の状況に対し、邦人執筆者が陥りやすい殊更な慷慨型、悔恨型、またはその反動としての極端な冷淡を装った分析型のステロタイプな照射が施されていない。理由3、そうした反面、翻訳書が起こしやすい無味乾燥な文䡊??、不自然な修辞、微妙にずれた日本理解が皆無。この美点は、通常の翻訳専門家ではない、ゾルゲ関係に精通した執筆者として(も)現在最適任の西木正明氏が、原著者の了解のもと「原作の一部」を「削除修正ないし加筆」されていることに因る。
理由4、その結果(これがいちばん重要だが)、本書は滅法面白い。上は半日、下も1日半で読んでしまった。直木賞受賞者である西木正明という小説家が、ゾルゲ研究に20年あまり専心しているという年少のジャーナリスト(著者は1952年イギリス生まれ)のノンフィクションをなぜ「翻訳」したのかは、下巻末の「訳者あとがき」に簡潔かつ明快に述べられている。現著者ワイマントの取材力、構成力に讃辞を呈するのは当然だが、作家としての稟質をこの「翻訳」に惜しみなく!注ぎ込んだ西木氏の功績は大きい。
それだけに、自身のゾルゲ事件への知見を盛り込んだ、近衛文麿の長男文隆が主人公の意欲作『夢顔さんによろしく』について、本書あとがきで全く触れていないのは、西木氏の謙譲の精神からにしても、同書の愛読者としてはやや不満だ(同書がライバル版元からの刊行ということで遠慮したのだろうか)。
なお、本書は上下まとめて買うことをお薦めする。



