ガラスの街
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商品の詳細
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- 発売日: 2009-10-31
- 版型: 単行本
- 223 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨークが、静かに、語り始める―オースターが一躍脚光を浴びることになった小説第一作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
オースター,ポール
1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。若いうちから作家を志し、1970年代から詩、戯曲、評論の執筆、フランス文学の翻訳などに携わる。1985年、小説第一作『ガラスの街』がサン&ムーン・プレスから刊行されて一躍脚光を浴び、以来、無類のストーリーテラーとして現代アメリカを代表する作家でありつづけている
柴田 元幸
1954年、東京生まれ。東京大学文学部教授。専攻、現代アメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
寓話的な物語
ポールオースターの小説処女作の、柴田元幸による再翻訳版。
雑誌『Coyote』に掲載された翻訳の単行本化です。
舞台はニューヨーク。「そもそものはじまりは間違い電話だっ
た。」というフレーズから始まり、物語は淡々と進みます。著
者のニューヨーク3部作(他に『幽霊たち』、『鍵のかかった
部屋』があり)の最初の作品らしく、急激な話の展開はないけ
ど、透明で寓話的な世界感が心地良いです。
自分の存在の危うさ、不確かさを意識してちょっと怖くなるけど、
読み応えのある物語です。
待望の新訳です!
ポール・オースターの「ニューヨーク三部作」の最初の作品、<City of Glass>の柴田元幸さんによる待望の新訳です。
(柴田さん訳のCity of Glassは、版権の事情があったそうで、雑誌掲載ということで、<コヨーテ>に発表されたことはありましたが、立派な単行本の形で出版されるのは、今回が初めてという意味です)
この作品は、以前(1993年)、角川文庫から<グラス>が硝子なのか、マリファナなのか、「シティ・オヴ・グラス」などと、妙に気取った無意味な題名で、翻訳本が出ていました。
今回、柴田元幸さんの翻訳で City of Glass を鑑賞できるのを待ちかねていらっしゃった方は多いことと思います。
題名もちゃんと意味を持った「ガラスの街」となりました。
The New York Trilogy(ニューヨーク三部作)の最初にふさわしい作品が、オースターをきちんと読んでいらっしゃる柴田さんの、けれんみのない達意の名訳で堪能できます。
まず、その、とっても魅力的な導入部です:
● そもそものはじまりは番号違いだった。真夜中に電話のベルが三度鳴り、電話線の向こう側の声が、彼ではない誰かを求めてきたのだ。ずっと後になって、自分の身に起きたさまざまなことを考えられるようになったとき、彼は結局、偶然以外何ひとつリアルなものはないのだ、と結論を下すことになる。
It was a wrong number that started it, the telephone ringing three times in the dead of night, and the voice on the other end asking for someone he was not. Much later, when he was able to think about the things that happen to him, he would conclude that nothing was real except chance.
まるで、深夜に聴くジャズ・ピアノのシングル・トーンのように、深く余韻を秘めた出だしでこの物語は始まります。
オースター文学の魅力への入り口とでも言うべき宝物のような作品「ガラスの街」が、素敵な名訳で鑑賞できるのは、とてもうれしいことです。
超5つ星! それに、この本、装丁も素敵です!(欲を言わせていただければ、夜景の写真、もうちょっと、ニューヨークの香りがあっても、とも思いましが、画面いっぱいに都会のガラスが琥珀色に煌いていて、「ガラスの街」を象徴的に切り取った、とても素敵なデザインで、感心してしまいました。)
不安を煽る小説
これが一番最初に出たとき私はまだ中学生くらいで、普通に推理小説等が好きで、別題別訳で出版されたのは知ってましたが、何故か読まず今回初めて読みました。難しいことはよく判りませんが、短い話ながら非常に不安を憶える不条理さに圧倒されました。アートは人を不安にするべきだ、という説がありますが、それを地で行っていると思います。3部作の1冊ということであとの2冊も読みたくなります。因みにオースターがこれ以前にPaul Benjamin名義で書いたという「Squeeze Play」という小説は翻訳されないのでしょうか。普通のハードボイルドらしいけど、こういう不条理な物を書く人が全うな推理小説を書くとどうなるか?機会があったら読んでみたい。




