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坂口安吾 百歳の異端児

坂口安吾 百歳の異端児
By 出口 裕弘

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  • Amazon.co.jp ランキング: #429699 / 本
  • 発売日: 2006-07-28
  • 版型: 単行本
  • 224 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
今なお光を放つ卓抜な日本論の数々、そして甘美な恋愛小説など、傑作を次々と生み出す一方、隙だらけの文章で暴走し、読者を振り回す―。矢田津世子との不毛の恋に身をやつし、果敢な文学追求の道半ばで逝った正体いまだ不明の愛すべき巨人・坂口安吾を、生涯をかけて読み込んできた著者が、その魅力も弱みも大胆に語り尽す。

内容(「MARC」データベースより)
卓抜な日本論の数々、甘美な恋愛小説など、傑作を次々と生み出す一方、隙だらけの文章で暴走し、読者を振り回す-。生誕100年、正体いまだ不明の愛すべき巨人・坂口安吾の魅力と弱みを、大胆に語り尽くす!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
出口 裕弘
1928(昭和3)年、東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。フランス文学者、小説家、エッセイスト。元一橋大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

坂口安吾とは異邦人にして賢者4
わかりやすくすっきりした内容とはなっていないし、え?なんでこの作品は語らな
いの?という箇所もいくつかあるけど、坂口安吾とは何者か、ということを著者出
口氏が四苦八苦しつつ格闘して書いた本。出口氏は若い頃から坂口安吾の本をリア
ルタイムで読んでいたそうだが、そのときから安吾の小説・評論に手放しで賛同し
ていなかったし、すごく好きなところもあるけど違和感もかなり感じていた正体不
明な人間だったとか。

結局のところ、坂口安吾とは何者かということについての出口氏の結論は、「小説
家としては大成することができなかった。終生、大問題を扱いたいという意欲にペ
ンがついていかなかった"自己未発見"の文学者」「何をどう書けば自分の才能を開
花させることができるのか、その肝心かなめのところでいつも自分を見損なってし
まった大器」ということになる。その観点から坂口安吾全集は「高級雑文全集」だ
とさえ言い切る。字面だけ見ると冷たい批判的な内容に見えてしまうが、実際のと
ころ書中では愛情あふれる書き方になっていることを付け足しておきたい。

百歳になった坂口安吾5
忘れ去られるかと思われた坂口安吾が息を吹き返した。忘れられかけたのは、型にはまらない個性と透徹した眼識でセンセーションを巻き起す一方で小児的な放言をまき散らした咎であると言ってよいだろう。坂口の見識に惹きつけられて止まない一般読者にとっても坂口はとらえどころの難しい作家であった。本書の著者はその坂口の魅力に60年来まとわりつかれてきた。ここにはその必ずしも評論を本業としない著者が長年にわたって倦むことなくたくわえてきた安吾観が彼の生誕百年を機として開示されている。その手法は不即不離とでも言うべきもので著者は安吾に思いをめぐらしながら己の来し方を振り返っている。(著者による日本の詩歌の引用は見事である。)思うに読書体験とはそのようなものであろう。結果として著者は独断から自由でありその言は安吾自身によっても啓発的なものとして受け入れられるのではないだろうか。
結論らしきものは最終章に集まっている。「小説よりエッセー、時評、古代史推理、各種観戦記、風俗談義などのほうに安吾人間学の本領があると考えるのが私の主観だ」というがそれは多くの人の主観と一致するものだろう。評者の坂口作品へのエントリー・ポイントは彼の古代史観であった。しかし、本文の多くは安吾の小説と取り組んでいるような印象がある。小説こそが安吾が格闘して敗れ去った鬼神だからであろう。