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風花病棟

風花病棟
By 帚木 蓬生

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  • 発売日: 2009-01
  • 版型: 単行本
  • 285 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
乳ガンにかかり“病と生きる不安”を知った、泣き虫女医の覚悟―顔を失った妻を愛する男の、限りない献身―三十年間守り続けた診療所を引退せんとする、町医者の寂寞―現役医師にしか書き得ない悩める人間を照らす、たおやかな希望の光。あなたの魂を揺さぶる、人生の物語。帚木蓬生、十年間の集大成。感動と衝撃の傑作小説集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
帚木 蓬生
1947年、福岡県生れ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、現在は精神科医。1979年に『白い夏の墓標』を発表し直木賞候補となった。『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、『逃亡』で柴田錬三郎賞など多くの文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

内容もだが文章が綺麗4
今までこの人の本は、「閉鎖病棟」で知り、「臓器農場」で驚き…と少し、グロテスクなイメージがあって、何か怖いもの見たさで読んでみよう…というイメージだったが、この風花病棟を読んで、あまりの文章の綺麗さにびっくりしました。

文章が綺麗というとすぐに、川端康成とか谷崎潤一郎を思い出す方が多いと思いますが、この文学的で嫌味のようなわかりにくい美文ではなく、文章が理論整然として、わかりやすく、しかも奥が深く、読みやすい…という感じの文章です。

小説のあらすじ以上に、文章の綺麗さに感動したのは久しぶりです。というかあまり経験ありませんね。
それくらい、文章に感動しました。

この作者は東大出て、TBSに務めて、それをやめてもう一度九大の医学部を受けなおして合格し、現在医者をしながら執筆を…というもう考えられないくらい文武両道というのではなく、文理両道?とでもいいますか、もうすごい人なのだろう。現在も中間市で病院を経営してらっしゃるという事だから、何か一度会いに行ってお話を聞いてみたいと強く思う。

自分がこれだけ感銘を受けた本は最近なかった…と思うので、その作者が自分の職場から1時間くらいの所に住んでらっしゃるのだから、何とか実現したい。しかしお会いした所で何を話せばいいのか(笑)。とりあえず、その先生にかかれるように病気になるか?

本は、10篇の短編集で、それぞれ違う病院や医者が主人公で描かれている。そのどの話も心を打つ。特に医療というものがその場限りのものではなく、永遠に続いていくもの…というような視点の話しが多く、多分現場では、何代もわたって病院に通っているような繋がりが実際に繰り広げられているのだろう。

「赤ひげ」のような拳を振り上げる医療物語ではなく、日常を淡々と描き、その中で癌の告知とか、親子の葛藤とか、戦争とか、ベトナムの独立運動…などが絡んでくる物語の作り方が秀逸。しかも最後の感想は各自が自分で感じなければならないような、控えめな終わり方。

何か本を読んでいて、久しぶりに心が震えたとでもいいますか、いい瞬間を体感することが出来ました。

やや物足りなさはありますが・・・3
1999〜2008年まで、毎年1作品ずつ小説新潮で発表されたものをまとめた帚木さんの集大成ともいえる短編集。
帚木さんとの出逢いは『エンブリオ』でした。
これは凄い!と感じた作品でした。
昨年、出版された続編『インターセックス』には、やや物足りなさを感じてしまいました。
この短編集は、今の帚木さんの等身大の短編集といった感じでしょうか。
ダイナミックさはないのですが、まさに現役医師にしか書けない作品でしょう。

――本物の医師は知っている。
――わずかでも希望があれば人は絶望しないことを。――
このことを特に感じさせた『藤棚』や、『かがやく』
医者としての良心を感じさせた『ショットグラス』が、私の良いと感じた作品です。

本モノの小説4
とても、精度の高い短編集ですが、私は人間性は
ここまで残酷になれるのかと読んでいて怖かった
です。
本当のホラー小説は人間性。
作者は人間の良心と、その対極にあるものを
書きたかったのかな・・
この短編集の中にある「ショットグラス」は
本当に怖い話です。
患者に我慢を強いる医師や、あまりにひどい
強姦犯人がでてきます。
作者のことなので、どこかの大学や病院で
実際に経験をした話でしょう。
それを思うと怖くなりました。