沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #101455 / 本
- 発売日: 1999-06
- 版型: 単行本
- 357 ページ
エディターレビュー
メタローグ
日本を代表する航空会社の凄まじいまでの腐敗。85年の御巣鷹山事故の衝撃を出発点に、その内実を描いたノンフィクション・ノベル。全5巻の大作ながらベストセラーになった。労組活動を「アカ」呼ばわりされ、海外の僻地勤務を命じられた主人公・恩地に、リストラ社会を生きる人々の共感が寄せられたのが一因だろう。だが、もっと重要なのは、だれもが知るあの会社をモデルに実在人物をも特定できる形で汚点を紡いだ「蛮勇」ではないか。たとえ事実と創作の混線ぶりが気になるにしても。「白い巨塔」の財前や「不毛地帯」の壹岐でなく、企業内で黙々と働く恩地が英雄という閉塞時代に、私たちはいる。(藤谷浩二)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.
内容(「BOOK」データベースより)
混沌のカラチから砂漠の街テヘラン、地の果てアフリカへ―流浪と別離の日々は、十年の長きにわたった。帰任を待ち続けた母の死、同期の友の裏切り、会社の異様な変貌と連続事故。サバンナで苦悩する主人公の遙かなる地平線に、荘厳なアフリカの夕陽が沈もうとしている。果てしなき流転の日々に終わりはあるのか…。壮大な構想力と徹底した取材で描く、今世紀最後の傑作。
内容(「MARC」データベースより)
家族との別離、果てしなき孤独を支えたアフリカの大地。理不尽な現代の流刑に耐える主人公の宿命の転変。帰任を待ち続けた母の死、同期の友の裏切り、会社の異様な変貌と連続事故。流転の日々に終わりはあるのか…。
カスタマーレビュー
半国営という視点で見ても
こういう良質な小説が、文庫本になって残るのは、ありがたい。
小説としているが、取材を重ねたドキュメントと言っても良いと思う。
それくらい不条理、かつ、その時代に生きていたサラリーマンの身の振り方次第(経済奴隷となるのか、あくまで主張に向かって戦い続けるのか)で、生かされ方が極端に変わるという面を見せつけてくれている。
読めば怒りがこみ上げ、主人公・恩地を応援したくなる。
小説で気持ちがシンクロして泣けてしまうのは、特に家族を犠牲にしてまで会社に尽くしてきたものに対する、全く非礼な扱いであった。
現代でもそういう面は、多かれ少なかれあると思う。
書かれている題材が、半国営の航空会社であった頃のものとはいえ、海外に展開する会社組織で、従業員を奴隷程度にしか思っていない、日系企業を思い出します。
あの時代から、どこも変わっていないのではないだろうか?と感じたりしました。
映画が先か、本が先か、どちらでもだいじょうぶ
昨日公開となった映画を見た。原作を読んでから映画を見るとがっかりするとよく言われるが、
よく出来た映画だった。だからと言って映画を見て筋を知ってしまうと本がおもしろくなくなる
かというとそういうこともない。むしろ3時間超と映画としては長いとはいえ、文庫本で5巻と
いう長い小説ではどうしても取捨選択してはしょわらずを得ないので、映画を見てから読むと映画
で描写できなかったディテールが分かり、面白さが増す。
この本で扱った航空会社は政権交代もありほぼ公的資金注入が決まった。本と映画で描かれた
官的体質のゆえである。映画制作の構想・企画は政府による再生が明らかとなる前であったはずだ。
その時機を得た先見性には脱帽だが、10年も前にそれを見越したような予見を内包したこの本は
すばらしいという言葉を超越している。山崎豊子おそるべしとしか言いようがない。映画と本、
双方お勧めですが、映画にはハンカチが必携です。
「白い巨塔」で育った者の読後感です。
by 左門 新
三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
女はなぜ素肌にセーターを着れるのか
組織に蠢く得体の知れないもの。
企業という組織は人間性を変えてしまう性質をもっているようです。一人ひとりと話せば、親切で優しい人であっても、組織の中に身をおくと平然と他人を陥れることができてしまいます。主人公は、労働組合の委員長として職を全うしたがために、企業という組織全体から攻撃をされてしまいます。カラチ、テヘラン、ナイロビ。海外出向は2年という規程を無視して人事は行われます。うさぎ跳び、という言い方を以前はしていました。会社側は辞めさせたい社員に転勤を繰り返し、自ら辞表を提出するのを待つわけです。国内でも、組合潰しの第二組合結成が会社主導で進められ、同じ組合の幹部達は徹底的な差別待遇が行われます。この話は、恐らく昭和40年代頃の日本の企業が共通して体験したものでしょう。第二組合の委員長の中には、その後労働貴族と呼ばれ、経営者以上に影響力を持つような人もいました。企業という組織は、様々な側面をもって、一人の人間に対峙しています。一人の人間を徹底的に潰そうとする一方で、その潰されかけた人を助けようとする人たちも同じ組織に同居しています。昔の企業の物語ではありません。今も形を変え、企業の中で蠢いている得体の知れないものを見たような思いがいたしました。





