小公女 (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #34816 / 本
- 発売日: 1953-12
- 版型: 文庫
- 376 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
女学校の寄宿舎に入った7歳の愛くるしいサアラは幸福だった。それが、父のクルウ大尉の突然の死から悲しい出来事ばかり続いて起る。だが彼女はどんなに辛く悲しい目にあっても勇気を失ったり、友人達への愛情を忘れたりはしなかった。逆境にもめげず明るく強く生きる夢みがちな少女サアラ・クルウの生活を、深い愛情をもって描き、全世界の少女に贈る名著である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
バーネット
1849‐1924。英国マンチェスターの富裕な商人の家に生れるが、幼くして父を失い、家族とともに米国に移住。家計を助けるために作家活動を始める。次男をモデルにした『小公子』(1886)、続く『小公女』(1905)で成功をおさめ、『秘密の花園』(’09)で名声を不動のものにする。明治期の日本にも紹介され、現代に至るまで長く読まれている児童文学作家である
伊藤 整
1905(明治38)年、北海道生れ。小樽中、小樽高商を経て東京商大中退。昭和初期より20世紀文学を紹介する気鋭の評論家・作家として活躍。’69年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
サアラという少女
私が購入したのは平成十五年に刷られた物で、
こちらは表紙・袖に映画の小公女の写真が使われていて、デザインもなかなか素敵です。
父の元を離れ、薄暗いロンドンの寄宿舎に入ったサアラは不思議に魅力的で、
誰からも好かれる少女でした。(意地悪なミンチン先生を除いて)
あらゆる面で恵まれていた彼女でしたが、突然の父の死から彼女の周りの全てが一変します。
それは心にとっても体にとっても貧しくつらいものです。
変わらないのは彼女と、彼女の夢見る力だけ。
いつも父に愛された時のように、公女のように凛とふるまう少女が、
「ベッキイはときどきお腹があまりすくので、塵箱からパンの皮をひろって食べているんだわ!」
と堪らずむせび泣く場面の痛々しさといったらないです。
本来夢見がちとは子供らしい特性でありながら、弱々しくあまり褒めるべきではないものとして扱われます。
しかしサアラの夢見る力は、現実をねじ伏せる力です。己を己として貫き通す為に行使されるのです。
人生は巡り合わせと言いますが、サアラはこの力で己をギリギリで失わずにいた事で、それを引き寄せます。
そうしてようやく物語は灯りを見つけるのです。
まるっきり子供向けのように思われているこの有名な物語が、大人にも不思議に魅力を放つのは、
彼女が大人にさえ難しい事をやり遂げているからではないかと私は思います。
それは他人の為に怒る事、そしてさらにその怒りを抑えるという事です。
人間味あふれるプリンセス
『小公女』と言えば、日本では何といっても日本アニメーション製作の
アニメ『小公女セーラ』が有名ですが、私もアニメ版を観てから原作を
読んだ一人です。
その感想は、アニメ版は基本的に原作に忠実に作られており、アニメも
素晴らしかったですが、この原作もやはりクオリティーは相当高い、価値
ある作品であるということです。
原作とアニメ版の主人公セーラは、誇り高く感情を内に秘めるという点は
同じですが、その描かれ方は多少異なっています。
アニメ版のセーラはどんな意地悪をされても決して人に対して攻撃的に
なることもなく、かんしゃくを起こしたりもしない、まるで聖女のような
少女でしたが、この原作のサアラはあまりの生活の辛さに自制がきかず、
かんしゃくを起こして人形のエミリーにあたったり、気がきかない友人
に腹を立て、冷たい皮肉を言って後で後悔したりしています。
私は個人的にはアニメ版の聖女のようなセーラよりも、原作の、人間の
汚い部分も見せてくれるサアラのほうがより魅力的だと思います。
いずれにしてもこの作品は、少女だけではなく万人におすすめできる紛れも
ない名作であり、アニメ版のほうも本当に素晴らしいので、こちらもやはり
おすすめしておきたいと思います。
偶然や幸運に出会う条件
本作「小公女」は驚くことに実に含蓄のある作品でした。やはり読み継がれる
本は違うものですね。
内容が薄くページ数だけあるビジネス書よりも遙かに読む価値があるものだと
断言します。
私の愛書、デール・カーネギーの「道は開ける」に記載されているような内容
が、本書にもちりばめられています。
主人公セーラは華やかな人生から一転、それまで慕ってくれた人からも見下さ
れ、こき使われる日々の中から、本当の友情を見いだします。
この「こき使われる日々に於いても・・・」という点が本作の読みどころです。
物語中様々な偶然が起こります。でもその偶然は、全て彼女自身に品性や前向
きさ、優しさがなくては得られないものでした。
・辛いことがあっても楽しみを見いだす、作り出す。
・自分の中で場面毎に他人を演じる。
・辱めを受け悔しさが湧き出ても、相手にしなければその相手は「負け」。
・誇りを失わない
他に明るくとか、前向きにとか、品格などなど。言葉では本当に誰もが理解し
ていることです。
でも、私を含め多くの人は実践できてない。
だから、幸運を逃す。
重要なのは、「偶然や幸運に出会えるにはそれだけの器量が必要」ということ。
これも、恐らく多くの人が理解しているはずのことです。でも、実践できていない(笑。
他人の経験を他人の言葉から正確に読み取ることは難しいですが、他人の経
験を想像の中で模擬体験することは出来ます(これもセーラの言葉に似てい
ますね)。
その意味で、小説などから学びを得ることは、見た目遠回りでも実は近道な
のかもしれません。だからこそ、名作として百年以上も読み継がれているのかも。
ドラマは酷いですが、原作はとってもお薦め。





