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マルテの手記 (新潮文庫)

マルテの手記 (新潮文庫)
By リルケ

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  • 発売日: 1953-06
  • 版型: 文庫
  • 302 ページ

カスタマーレビュー

風変わりな文学作品3
風景を気軽な、内面の吐露、回想や雑感などが一見脈絡なくかかれている。
著者が伝えたいのは、人が生きる上で大切なこと。戻らなければならない原点なんだろうか。。。

普段は、あまりそのような原点を考えないことで気楽に生きている私が、ふと下を見るとそこには落とし穴だらけで、たまたま私は、足を踏み抜かなかっただけだということに気付かせられるような。。。

また、その恐怖こそ、私がもっとも身近に常によりそい生きているものの一つの現れで、しかも、私の人生上の問題解決の際、力の源泉となるものではないかと思わせる。

私は、この今も死につつある。しかし、死に向かって進んでいると自覚し、しっかりとその道を見定めることで、実は、もっとも生きている。

実は、それは疲れる生き方であるかもしれない。しかし、時に必要であり、崖ッぷちに瀕したときに、助けてくれる考え方を提供してくれるのではないだろうか。。。

さまざまな死をうたった書物4
今の時代において死をどのように扱うか。
現代人は不器用に死に対峙する。
マルテの手記の中でリルケはさまざまな個体の死をうたうことで
今ではおとしめられてしまった死をそっと持ち上げ
死を生の中に包み込む。
「手記」であるからあらすじなく、とりとめのない話が並ぶが、
どれも死の影をもって生をうたっている。

それでいてけっして暗くなく、何かここちよい
開かれた気持ちにさせてくれる。

ぼくにはどこにも心の拠り所がありませんー現代の始まり。現代人の誕生。4
近現代文学の名作『マルテの手記』

「世界」の全体性から分断され
「個」として漂泊する魂の独白。

文庫では、新潮、岩波、講談社と数種ある。

最も出版が新しい岩波の望月市恵訳は、
モダンで、ソリッドで、推進力と迫力がある。

定評あるのは新潮の大山定一訳。
都市の中を漂う詩人の心象を叙情的に表している。

巻末には15頁の訳者「あとがき」。
リルケの内側から『マルテの手記』の深さと意味を照らしだし
切実さが身に迫る。

「僕は二八歳だ。それだのに、
 僕の二八年はほとんどからっぽなのだ・・
 僕は詩も幾つか書いた。しかし年少にして詩を書くほど
 およそ無意味なことはない。
 詩はいつまでも根気よく待たねばならぬのだ。
 人は一生かかって、しかもできれば七十年あるいは八十年かかって、
 やっと最後にわずか十行の立派な詩が書けるだろう。
 詩はほんとうは経験なのだ」