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青い麦 (新潮文庫)

青い麦 (新潮文庫)
By コレット

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  • 発売日: 1967-06
  • 版型: 文庫
  • 149 ページ

カスタマーレビュー

青春恋愛小説の名作5
この本を私は高校時代に読み、フランス海岸の自然をバックに幼馴染みの恋人たちの子供から青年へ成長していく過程を描いた美しい愛と性の賛歌として感動しました。

しかし、その後、何年か経ってから読み直して、主人公ヴァンカの何気ないしぐさの中に女性の持つ魅力と魔力が表わされていることに気づきました。それは作者であるコレット自身が時にはスキャンダルで非難されながらも愛と恋に生きた女性であったことと無関係では無いと思います。

その意味で恋愛と性と青春、そして女性についていろいろ考えさせられる名作です。

なお、この本にはいくつかの日本語訳がありますが、日本語としての美しさでは堀口訳に勝るものはないと思います。

青春文学の永遠の名作5
避暑地での少年と少女の切ない恋が、女性作家ならではの瑞々しく感覚的な筆致で描かれている。幼なじみの少年に思いをよせる少女。しかし少年は同年代の少女の幼さが物足りなくて、避暑地で出会った年上の女性に惹かれていく。それに嫉妬しながらも、どうすることも出来ず身悶える少女の切ない思い。フランス文学史に残る青春文学の永遠の名作である。

少年少女の混乱・当惑・嫉妬5
 「ふ・た・り・は、あーおいむぎ」というのは遠い昔に聞いた伊藤咲子の歌だ。当時、『青い麦』というタイトルの小説があることは知っていて、それから取ったのだな、とは思っていたが、読むのは今回が初めて。

 読んでいるうちに『肉体の悪魔』を思い浮かべ、フランス人というのはよくもまあ、こんな事ばかり考えていられるものだ、とも思ったが、重要なのは何が書いてあるかではなく、どう書いてあるか、ということなわけで、翻訳を通してではあるが、日本人との違いをいろいろ考えさせられた。
 例えば、

「夜明け方から、やがて熱した地表が、耕した畝(うね)の、脱穀された麦の、湯気を立てる堆肥(たいひ)のにおいを、爽(さわ)やかな海の風に吹き払わせる時刻になるまでここ数日の八月の!朝には、秋の匂いがしみていた。生垣(いけがき)の裾(すそ)には、いつまでも消えずに露が光っていた。」(p35)

 などという文章だけでも、感覚の違いが伝わってくる。
 物語は、十六歳の少年と十五歳の少女の恋愛の物語なのだが、混乱・当惑・嫉妬というものが詳細に描かれている。こういうのを翻訳するのは大変だろう。