アンナ・カレーニナ (下巻) (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #72124 / 本
- 発売日: 1972-02
- 版型: 文庫
- 570 ページ
カスタマーレビュー
上中下巻すべてのブックカバーの商品説明にあらすじが書いてあるので要注意
大著ですが、戦争と平和ほどには登場人物は多くないので読みやすい小説です。恋愛と主人公の行く末が大きな柱ですので、読者としては誰と誰が結婚するのか、主人公は幸せになるのか不幸に終わるのかが大きな関心となります。ところが、この本は上巻・中巻・下巻のそれぞれのブックカバーに、それぞれのあらすじが最後まで書かれており、これを読んでしまうと興味が削がれてしまいます。また、訳者の解説は下巻のみにありますが、ここにも小説の結末が書かれています。予備知識なしでも十分に理解できる小説ですので、ブックカバーの商品説明と解説は、小説を読破してから読むことをお勧めします。
真実味溢れる小説
あくまでも現実を冷徹な目で見つめ、いくら美しいように見えるものでも決して理想化せず、むしろ常にそれが現実世界で起こればどうなるかという視点を最後まで貫徹した著者の姿勢が好き。例えば男女間の情愛については、決して当人たちの情熱だけを描いたのではない。むしろ、その情熱を、一般社会という枠組みのなかで客観化・相対化して、男女の恋は情熱だけではなく、家族や社会の諸要因も絡んでくるという、非常に現実的な描き方をしている。アンナの恋がその好例である。それだけ魅力的な女性だから、現代の小説だと、恐らくその不倫の恋をどこまでも美化して、メルヘン的にさえ描いただろうが、トルストイは決してそうしなかった。不倫の魅惑を認める一方、それが背徳のこと、社会が簡単には受け入㡊??られないこと、当人たちに恐ろしい代価を払わせるものであるという現実も見失わず、それを丹念に描いている。現実に立脚していた著者の基本姿勢から、アンナはもはやフィクションの世界にしか存在するような架空の人物ではなく、むしろ現実の客観世界の人物となっており、著者の一存ではなく現実世界の様々なファクターによって運命付けられる存在となってしまうのである。悲惨な結末を迎えたのは、著者がそうさせたというよりは、むしろ不道徳の恋を許容しない現実世界がそうさせたのであろう。一方、レービンは幸せな結婚生活を送っているとはいえ、それでもしばしば不協和音が生じる。幾ら幸福な家庭でも様々な悩みと不完全さを抱えている、というもう一つ、わたしたちがよく知っている現実がそこにある。!このように現実にしっかりと裏打ちされ、時代や国が違っても読者の現実とは切っても切れない関係をもつ小説が世界名作となるのは、まことに至当なことだといえよう。
完璧な作品
ロシアの文豪の作品には今まで意識的に手を出さなかったのですが、そろそろいいかなと思い、まずこの作品を読んでみました。
衝撃的でした。こんな完璧な作品が存在するとは信じられません。
荒廃する貴族階級、恋愛、結婚、出産、哲学、宗教、人生、産業、人間関係・・・。小説を書くときに主題とするべきファクター全てを言及することに成功し、その全てのアプローチに成功しています。所謂、「総合小説」というものを初めて体感しました。凄すぎます。
アンナとリョービンがこの小説の核なんでしょうが、それを取り囲む、オブロンスキー、ヴロンスキー、キチイ、ドリイ、コズヌイシェフなどの人物もなくてはならない。どのエピソード、セリフを省いてもこの作品は成り立ちません。
この完成度は圧巻です。読書初心者はこの物語の持つ退屈さのようなものに飽きてしまうかもしれませんが、読めば読むほど、その退屈さが増せば増すほど僕は物語に引き込まれました。
完璧と言える作品であると思います。本好きなら一回は読んで損はないでしょう。ただし、読むには時間がかかるので、それなりの覚悟を要します。





