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賭博者 (新潮文庫)

賭博者 (新潮文庫)
By ドストエフスキー

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  • 発売日: 1969-02
  • 版型: 文庫
  • 317 ページ

カスタマーレビュー

失敗作だと思っていました・・・・5
賭博者の心理が巧みに描かれている・・・・確かにそうなのでしょう。しかしながら、賭博に手を染めたことのない私ですが、その私が想像している以上のものが描かれているとは感じられませんでした。この作品は、締め切りに追われて急いで作られたらしいし、失敗作なのでは?と思っていました。・・・・この本に出会うまでは→『名作の読解法』(塚崎幹夫)!!この中で『賭博者』の解説がなされているのですが、その読み込みの深さが半端ではありません。すごすぎます。「ポリーナの愛は謎でしかないか」この解説を読むと、『賭博者』が全く異なる小説に思えてきます。『賭博者』を読んでから、是非『名作の読解法』を読まれることを、強くおススメします!!

簡潔な描写4
賭博の持つ魔力と、それに魅入られた人たちの破滅の過程を描く。
主人公もその一人だが、一人称で描かれる主人公の賭博のシーンはきわめて簡潔な描写にとどまっている。これがかえって、ルーレットに夢中になっている者の、短絡的で無計画になっている様子に臨場感を与えている。

ドストエフスキーの特異な心理小説5
ドストエフスキーーというと「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」の五大長篇や「地下室の手記」のような思想性の強い作品が重要視されているが、処女作「貧しき人々」のようなメタ文学の実験作や「死の家の記録」のようなルポルタージュ的な性格を持つ作品、そして「賭博者」「永遠の夫」のような思想性があまりなく、心理描写に重点を置いたものもあり、実際の文豪の仕事は多様である。「賭博者」は借金に苦しめられていたロシアの文豪の足元を見た悪辣な出版人が「作品をひとつ書く」という強引な約束をさせられて生まれた作品であるが、結果として他の作品にも増して特異な心理小説となっている。時間のないドストエフスキーは、口述筆記という形をとり速記係としてアンナ・スニートキナという女性を雇うが、この女性が文豪の仕事を終生支えていく二番目の妻アンナ夫人である。ある意味ドストエフスキーの作家生活の転換期を象徴する作品である。