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晏子〈第4巻〉 (新潮文庫)

晏子〈第4巻〉 (新潮文庫)
By 宮城谷 昌光

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  • 発売日: 1997-09
  • 版型: 文庫
  • 404 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
崔杼は慶封と手を組み君主を弑した。一旦は崔杼の専制が成ったかにみえたが、崔氏は分裂崩壊し、代わった慶氏も誅せられた。脆弱不安の政情下、晏嬰は天の意志、民の声を全うしうるのか。後代、司馬遷がその御者になりたいとまで敬慕した晏嬰。稀代の聖人の人生の哲理を捉えた巨編。


カスタマーレビュー

素人っぽさと玄人さ4
歴史物語としても、歴史書としても、宮城谷氏の著作水準は
高いとは言えない。例えば晏嬰に関する史料考証は中国、日本
の歴史学何れもかなり進んだ研究成果が出ているのだが、そう
した資料に依拠したことは、少なくとも明示的には現れない。
これは資料水準を一定程度確保した司馬遼太郎氏や塩野七生氏

、海音寺氏といった歴史小説家の手法とは、少なくとも見かけ
上はかなり異なる。

 あからさまに言えば、歴史学者から見ればただの英雄史観
である。しかし物語として見た場合、本人が謙遜含みにせよ
公言する「無知から」の鋭く磨かれた想像力の駆使による原
典への沈潜による再構成を通じて、史書の無味乾燥な行間を

豊穣に埋めている。これは文学的想像力の賜物であると共に
、著者宮城谷氏が取り上げた対象に対して深い愛着を持つか
らこそあらわれるものだろう。

 宮城谷氏の凄みの一つは、政変や政争に対する、平坦な叙
述の中に凄惨さを淡々と織り込み得る点にある。本著作が宮
城谷作品の中で完成度の高い緻密さを得たのは、崔杼、という

稀有に現実的な陰謀家の存在を魅力的に配せた事だろう。晏子
の生涯に対し、崔杼は奥底での理解者であり、擁護者であり、
そして敵対者であり、同一の歴史的命題に対するアンチ・テー
ゼであり続けた。この配置の妙こそ、宮城谷氏の著作をただ
の英雄礼賛ではなく、歴史的存在に対する、えもいわれぬ哀惜

と悲劇の構成者として成り立たしめ得るものだった。崔杼とい
う、儒教的正統性から言えば、ただの簒奪者であり悪役である
人物を、力まず、囚われずに再構成し得た、この事こそ宮城谷
歴史文学の真骨頂の一つだろう。

すごい人物がいたんですね4
晏氏親子の生涯を丹念に描いた大作です。親子は武術家というわけではありませんので、特に戦乱に焦点があたるわけでもなく、物語は静かに、親子の生きかたを丁寧に描きながら進んでいきます。
ですから、戦国時代の争乱を期待して買われると面白くないと思います。

しかし、世の中にこんなに高邁に生きた人もいるんだということを知るには格好の書物です。親子の生き方には、素直に「すごいなあ」と感動させられると思います。