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晏子〈第1巻〉 (新潮文庫)

晏子〈第1巻〉 (新潮文庫)
By 宮城谷 昌光

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  • 発売日: 1997-08
  • 版型: 文庫
  • 430 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
強国晋を中心に大小いくつもの国が乱立した古代中国春秋期。気儖な君公に奸佞驕慢な高官たちが群れ従う斉の政情下、ただ一人晏弱のみは廟中にあっては毅然として礼を実践し、戦下においては稀代の智謀を揮った。緊迫する国際関係、宿敵晋との激突、血ぬられた政変…。度重なる苦境に晏弱はどう対処するのか。斉の存亡の危機を救った晏子父子の波瀾の生涯を描く歴史巨編、待望の文庫化。


カスタマーレビュー

一気に痛快に読めて、じっくりと深く読み返せます5
中国の歴史小説と言っても小難しく考える必要はありません。晏弱と晏嬰の親子の活躍がとても痛快で4冊一気に読めてしまいます。また、2度、3度と繰り返して読むうちにその奥にある清々しく力強い哲学に触れ何度も読み返したくなります。宮城谷昌光さんの著書の中でももっとも好きな作品で、既に20回以上読み返している僕にとっての人生の書となっています。

古代中国究極の名臣父子をえがきつくした、宮城谷文学の傑作5
晏子は、古代中国のひとびとの尊敬をあつめた、究極の名宰相。

この小説では太公望以来の古代中国の東の大国、斉の国が苦難の時期をむかえるころに、爽快な武将で男のなかの男のようであった晏子の父と、礼と信念のひとであった晏子の2代にわたる生き様をあざやかにえがききっています。

悪名高い先代宰相だった崔序(さいちょ)が、権勢的には格下ながら晏子の父だけは別格視し、かれの死を知り”鬼の目にも涙”となる場面は(1巻ではないですが)、どんな人間でも、ある風韻をもった人格には感化され、敬意をはらうのだという普遍の真理を描写しています。

そして息子も。。。斉の国が戦火でみちみちたときも、かまわず父の供養を続ける晏子のすがたに、侵略した敵国の兵士すら敬意の念でとがめず立ち去ったといいます。

終盤、ついに宰相ののぼった晏子の活躍は白眉です。君主にときには直言し、ときにはわかりやすくさとし、民のためにはおそれるものはなく、信念で、ただ最善を求めるつづける政治姿勢を一貫してつらぬいてゆく姿は、大感動です。われわれの生き方に問いかけてくるようです。小さいかただったそうですがまさに小さな巨人、です。人間としての格、というものを考えさせられました、感動の大作です。すぐに右顧左眄するいまどきの政治家のかたがたにはぜひ、およみいただきたい。

聖人の作られ方を考える5
“晏子”と呼ばれ、ある種畏敬の念を持って見られた息子には、父のこういう悲劇があった。
というわけで、宮城谷作品らしく、父の代からじっくりと、晏子の生涯を描いていきます。
構成としては、前半は、父・晏弱の苦悩とその悲劇が描かれ、後半は、それを受けての晏子の生き様。

父・晏弱は、仁や徳を重んじようとするのですが、それだけでは乱世は生き延びられず
苦悩しつつ、知略をめぐらす。しかし、晏子こと、息子の晏嬰は、自分の信念を貫こうとする。
それは、凡人から見れば、狂気の沙汰だったりするわけですが、中国4千年の歴史に残るほど、
ある種のなにかに殉じるってことは、ここまですさまじいのかと。

『介子推』と同じく、共感するというよりは、“スゴイなぁ”とただ感嘆。