宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #166450 / 本
- 発売日: 2003-08
- 版型: 文庫
- 439 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
80年代末の日本を震撼させた連続幼女誘拐殺人事件。「今田勇子」の名で犯行声明まで出した犯人・宮崎勤の狙いは何だったのか。彼は本当に精神を病んでいるのか。事件には、驚くべきストーリーがあった。捜査資料と精神鑑定書の再検討、関係者への粘り強い取材が、裁判でも明らかにされない真相を浮かび上がらせる。事件は終わっていない。今も宮崎勤は自作自演の舞台に立ち続けている。
内容(「MARC」データベースより)
すべての言動は、ある「シナリオ」に従って発せられていた。初公開の捜査資料が明かす、宮崎事件戦慄の真相。彼は今も、自分の脚本を忠実に演じ続けている。既存の報道と精神病論争を覆す渾身のノンフィクション。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
一橋 文哉
1995(平成7)年、月刊誌「新潮45」での連載「ドキュメント『かい人21面相』の正体」(雑誌ジャーナリズム賞受賞)でデビュー。’96年、『闇に消えた怪人』(新潮社)を出版後、宮崎勤、オウム真理教、三億円強奪事件などをテーマにしたノンフィクションを次々と発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
宮崎事件についての詳細
タイトルにある「塗りつぶされたシナリオ」というのは、宮崎事件について広く世間がイメージしている「自閉的なオタクの単純犯行」というイメージをくつがえす、という筋です。が、本自体は、宮崎勤の養育環境、学校での印象や犯した事件の詳細について経時的に詳しく書いてあるもので、世間の宮崎イメージを一変させるような衝撃的な内容ではありません。詳細なルポとして、宮崎勤のおかれていた環境、と犯罪の経緯を、淡々とつづっています。思想的、情緒的な表現はほとんどありません。
真実に迫ったとは言えない
本書は、ある警察幹部の「宮崎は完全犯罪を狙い、自ら書いたシナリオに沿って事件を起こした。彼の不可解な言動はすべて演技だった」と言う告白に基づき、関係者への再取材や資料の再検討を行って、宮崎被告の“作られた狂気”を証明しようと言うものである。
しかし、私にはその証明が完全になされたとは思えない。たしかに、彼のやったことが「性的欲望を満たすための犯行」即ち「分かりやすい事件」に仕立てられてしまった面はあると思う。だが、逮捕時の杜撰な行動の説明はなされず、被害者をあらかじめマークしていたという証拠も示されていない。
また、文庫特別編として『宅間守と宮崎勤の共通する世界』が収録されている。ここでは宅間被告が死刑を免れるために精神障害を装っているとしているが、本書の発売日以降、弁護人の控訴を宅間自らが取り下げたことにより死刑が確定するのである。
むしろ私が本書から強く感じたのは、精神鑑定や、死刑も覚悟の上の劇場型犯罪への対処の難しさである。
期待はずれ
事件の事実関係を知ろうとする人には、期待はずれの一冊でしょう。検証は主に宮崎の供述を比較するもので、そんな何の裏づけもないものの変遷を辿ったところで、何が見えてくるわけでもないだろう。
「供述どおり被害者の遺体が見つかった」とあたりまえのように書いてあるが、佐木隆三の「宮崎勤裁判」を読む限り、宮崎が遺体のありかを言い当てたという事実はない。土地鑑のある場所を宮崎が適当に言い、その日のうちにそこを探しても遺体は見つからない。ところが翌日に同じ場所を探すと遺体が見つかるのである。そうしたことがこの事件には何度かあったらしいのだが、それらの矛盾への指摘などはまったく為されていない。
元警察庁エリートのAとかいう人物の話も嘘臭く、巻末の宅間との比較も説得力ゼロ。読後の結論は「宮崎って統合失調症でしょ」。犯行を実際に行ったかどうかも疑わしい。動かぬ証拠として引き合いに出されるビデオに写った宮崎の時計だって、そのシーンが発見されたときには、宮崎ではなく警察が保有していたのである。証拠捏造の否定は当然なされるべきだろう。貴重な資料を見放題という立場にあるのであれば、もう少し丁寧に検討してほしいものである。





