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悪魔の羽根 (新潮文庫)

悪魔の羽根 (新潮文庫)
By 乃南 アサ

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  • 発売日: 2004-10
  • 版型: 文庫
  • 296 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
日本の銀行マンと結婚したフィリピン女性が、転勤で九州から新潟へ移った途端に経験した、雪国という未知の空間。ふさいだ気分が周囲への憎悪に変わる様子を描いた表題作「悪魔の羽根」。早春、恋愛中の女性が突然、姿を消した謎に季節特有の悩みを絡めた「はなの便り」など、四季の風景を織りまぜながら、男女の心模様、友人同士の心のズレを浮き彫りにする。ちょっぴり恐い7つの物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
乃南 アサ
1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。’88年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。’96(平成8)年『凍える牙』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

じっくり味わって4
 速く急いで読んだためか、まあそれがいつもの読書スピードかも知れないがそうして欲しくないかな。本作には殆どが同じ量の短編で収められている。最後がまた少し短いくらいか。

 最後まで読めない展開がやはり面白い。短編だとは言ってもある程度の伏線はある。それなのに本作に至ってはじっくり心理描写する。それが伏線でもあるのだろうが、とはなかなか気付かない。だからこそじっくり、じっくり味わって欲しいと思う短編集だ。

 個人的には可もなく不可もなく。最初の「はなの便り」はハッピーエンドだが乃南だからブラックもある。逆に最後の「指定席」や「秋旱」のような意外性とブラックが付きもののほうがいかにも乃南らしい短編かも知れない。長編とはまた異なって書く当たりが面白い。長編でもブラックなのもあるんだが個人的には短編のほうがなじめる。

 表題作「悪魔の羽根」は付けられたタイトルと言ってもいいかな。マイラの見た直感がこれ。初めて見るものには、どうしても違和感は憑きものなのだろう。そこから心理描写を徹底し、話を作っている。ただ、焦点が主人公に集まりすぎ、と言うのもあるんだが。最後は優しいな。

 それぞれ季節が主体である。表題作は冬の新潟。「ハイビスカスの森」などを読むと場所もキーポイントになってくる。心理描写がそのままの臨場感になって面白い。

 何度も言うがじっくり読んで欲しい。それでこそ味わえるはずだ。

雪は悪者?3
移りゆく季節の中で繰り広げられるさまざまな物語。それぞれの季節をからめて作品を描いているのはよかったが、雪の持つ残酷さを描いている表題作「悪魔の羽根」は、ちょっとオーバーな感じがする。それは私が北海道に生まれ育ったせいかもしれないが。雪をこんなふうに悪者にしてしまうのは許せない。冬の新潟の描き方も読んでいて抵抗を感じた。7つの作品の中では、「はなの便り」がほほえましくてよかったと思う。