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ウルトラ・ダラー (新潮文庫)

ウルトラ・ダラー (新潮文庫)
By 手嶋 龍一

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  • 発売日: 2007-11
  • 版型: 文庫
  • 448 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
1968年、東京、若き彫刻職人が失踪した。それが全ての始まりだった。2002年、ダブリン、新種の偽百ドル札が発見される。巧緻を極めた紙幣は「ウルトラ・ダラー」と呼ばれることになった。英国情報部員スティーブン・ブラッドレーは、大いなる謎を追い、世界を駆けめぐる。ハイテク企業の罠、熾烈な諜報戦、そして日本外交の暗闇…。わが国に初めて誕生した、インテリジェンス小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
手嶋 龍一
1949(昭和24)年、北海道生れ。外交ジャーナリスト・作家。冷戦の終焉にNHKワシントン特派員として立会い、FSX・次期支援戦闘機の開発をめぐる日米の暗闘を描いた『たそがれゆく日米同盟』を発表。続いて湾岸戦争に遭遇して迷走するニッポンの素顔を活写した『外交敗戦』(いずれも新潮文庫)を著し、注目を集める。2001(平成13)年の同時多発テロ事件ではワシントン支局長として11日間にわたる昼夜連続の中継放送を担った。’06年には世界各地に張り巡らした極秘の情報源を駆使して北の独裁国家の謎に挑んだ『ウルトラ・ダラー』を発表。「日々のニュースがこの物語を追いかけている」と出版界に大きな衝撃を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

手島のウィンク5
大変面白く読んだが 若干の戸惑いもあった。本書は スパイ小説なのか事実に近いノンフィクションなのかが 読んでいてはっきりしなかったからだ。

 スパイ小説だと考えるなら もっと上手い書き手はいくらでも居る。手島は少なくとも小説家の資質が飛びぬけているわけではない。「創作された小説」として読むなら細部に詰めの甘さも感じるし サスペンスの盛り上げ方も幼い。またもっとエンターテイメント性も出すはずだ。手島が時折サービスのように挿入するエンターテイメント的な場面はいささか浮いている。照れていると言って良い。やはり ジャーナリストという出自だからであると思う。小説家とジャーナリストは 同じように言葉を武器としても まったく「文法」が違う。

 一方 ジャーナリストが書いたノンフィクションかというと それは有り得ない。例えば登場人物でもモデルを特定できる人も出てくるが その中身はおそらくフィクションである。この内容が全てこのまま本当だったとしたら かような本などは発行されないし 手島自身がどうなってしまうのかわからないと思う。

 この本の面白さは「どこまで創作なのか わからない」点にある。これは「どこまで本当なのか わからない」と言う言い方と 同じ事を言っているようで 実は全く違う。
創作だと思っていて読んでいるだけでは読み取れないということだ。

本全体に流れる一種の「説得力」を感じてしまうと「もしかしたらこの部分は本当かもしれない」と思わされてしまう事がしばしば出てくる。おそらく手島は 解る人には解るような書き方をしているはずだ。そんな 手島のウインクが 端々に感じられる。

情報量の多さを評価4
同時代性という事情を鑑みるとよくできた読み物と評価したいと思います。

確かにフィクションとしてみると(濡れ場を含めて)一般ウケする小説は
たくさんあると思います。海外で暗躍する無名の日本人を題材とした小説は
よくある設定ですが私が評価したいのは、日本に暗躍する外国人を主人公とした点です。

登場人物が浮世離れしているというご意見もありますが、キャラもけっこう立って
いると思います。予備知識なしでフィクションとしての楽しみを期待されるのなら
失望される方もいらっしゃるかと思いますが、ある程度ノンフィクションを読む方
であれば、フィクションであるが故曖昧になるディテールがしっかり書かれている
点で楽しんで読むことが出来るのではないでしょうか。

内容の硬さが壁になりノンフィクションに手を出せない方にとっても違和感無く
読める作品に仕上がっています。

読み辛い本でした2
この本は読むのに半年かかりました。
プロローグは北朝鮮の偽札「ウルトラダラー」偽造へのわくわく感でスムースに読めるのですが、
その後は枝葉の表現にこだわって、本題がないがしろのようでした。
これは僕の先入観だったのですが、偽札を巡る大冒険だと思ってたのですが、
実はスティーブンが活躍するスパイ活劇で、スパイ活劇としても、
最後の尻切れトンボの終わり方は、実は下巻があるのでは。。
と表紙を見直したほどでした。