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男どき女どき (新潮文庫)

男どき女どき (新潮文庫)
By 向田 邦子

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  • 発売日: 1985-05
  • 版型: 文庫
  • 197 ページ

カスタマーレビュー

エッセイも良い。5
『男どき女どき』と言うタイトルでシリーズ連載していた短編4編と、エッセイからなる本です。この4つの短編が、良い味を醸しています。特に「三角波」のラストは上手いです。この本で初めて向田さんのエッセイを読んだのですが、エッセイも小説同様、面白さと味があります。文章がちょっときっちりしているのは、向田さんの性格を表しているような、そんな印象を受けました。でも内容は、と言えば、誰もがしているような失敗とか、そこから得た教訓とか、身の回りの事を描いているので、親近感が持てるものばかり。向田さん自身が、読者からの手紙に答えたカタチで解説をしている「あ・うん」に対する心持など、興味深いところもいっぱいでした。この本で、初めて『独りを慎む』と言う、ステキな言葉を覚えました。この言葉を知っただけでも、この本を読んで良かったと心から思いました。ずっぽりと向田ワールドにハマってしまいました。

はまります5
晩年の山本夏彦翁が向田氏を評価していたのでどんなものかと読んでみたら、本当にすごい人だと思いました。
短編とエッセイいずれも、短い文章ながら、非常に中身が濃いし、エッセイなどは、ハッとさせられるようなものばかり。
この人は惰性で生きてたのでなく、自覚的に日常生活を生きていた(生活していた)んだなあと感じました。
エッセイを読んでいる最中はアルファー波が出ているのではないかと思えるような、ゆったりとした気分になります。

エッセイの天才5
一番最初に手にとった向田邦子の作品ですが
度肝を抜かれるほどの才能がページからほとばしっています。

まず、日常で起こる些細な事柄に対しての観察眼がすごい。
そして、その切り方が鮮やか。

まるで違う複数のエピソードの中に共通する本質的な要素を見つけ出し
それを読者にも著者にとっても気持ちのいい距離感で闊達に書き上げています。

女性のエッセイはどうにもベタついて苦手だったのですが
この作品は、なんだか中性的な雰囲気です。
きっと、向田邦子という人はすごく女性的な部分と
そんな自分をどこか俯瞰的に捉えられる男性的な部分を備えた
稀有な脚本家であり、作家であったのではないでしょうか。

いまだにこの人の熱狂的なファンがいるのがよくわかる
すばらしい一冊です。
(特に、本書収録の『ゆでたまご』は逸品)