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クレオパトラ〈上〉 (新潮文庫)

クレオパトラ〈上〉 (新潮文庫)
By 宮尾 登美子

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  • 発売日: 2002-05
  • 版型: 文庫
  • 447 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
愛と政争の渦中へ星の預言が王女を導く。現代に蘇る絢爛たる歴史絵巻。

紀元前1世紀のエジプトに降臨した美しき星・クレオパトラ。神に導かれ、弱冠18歳で女王として民のために生きる決意を固めたクレオパトラは、エジプトを脅かすローマ将軍達との危うい駆け引きの中で、運命の人シーザーと巡り合う——。宿命を背負いながら靱(つよ)く生きる女性を描いて圧倒的な共感を得てきた著者が、古代地中海世界を彩った古(いにしえ)の魂と呼応して生み出した、壮大で華麗な物語。

内容(「BOOK」データベースより)
紀元前1世紀のエジプトに降臨した美しき星・クレオパトラ。神に導かれ、弱冠18歳で女王として民のために生きる決意を固めたクレオパトラは、エジプトを脅かすローマ将軍達との危うい駆け引きの中で、運命の人シーザーと巡り合う―。宿命を背負いながら靱く生きる女性を描いて圧倒的な共感を得てきた著者が、古代地中海世界を彩った古の魂と呼応して生み出した、壮大で華麗な物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮尾 登美子
1926(大正15)年、高知市生れ。17歳で結婚、夫と共に満州へ渡り、敗戦。九死に一生の辛苦を経て’46(昭和21)年帰郷。県社会福祉協議会に勤めながら執筆した’62年の「連」で女流新人賞。上京後、九年余を費し’72年に上梓した「櫂」が太宰治賞、’78年の『一絃の琴』により直木賞受賞。他の作品に『寒椿』(’77年刊、女流文学賞)、『序の舞』(’82年刊、吉川英治文学賞)『仁淀川』等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

クレオパトラ贔屓が過ぎるかな・・2
1993年10月から1996年3月まで、朝日新聞日曜版に連載された小説です。当時、ティーンエイジャー(笑)だった私は、クレオパトラを取り巻く愛欲憎劇を毎週楽しみにしていたものでした。でも、「素晴らしい小説」だとは思わず、何となく、自分の求めるものと違う気がしていました。

歳月を重ねた今、再読しましたが、やはり私はこの小説は好きではありません。クレオパトラの思考が、私のものとかけ離れすぎているからです。時代や立場もありましょうが・・・。

なぜ、国を統べること=強国の英雄を女性の武器で取り込むこと、になってしまうのでしょうか。なぜ、感情的に出兵するのでしょうか。なぜ、統治すべき自国を数年も離れて、ローマで愛妾生活に甘んじるのでしょうか。なぜ、今の男の前で「前の男(シーザー)はこうしてくれた・・」と言うのでしょうか。ちょっと、共感しづらいところが多々あるのです。

このような姿態を描くことで、クレオパトラを普通の女性と認識させるのであれば、一定の成功であると思います。でも、これでは国娼と言われても仕方がないのでは。お金と美貌がなければ、女王のオーラが無さそうだなあと思ってしまう。

そして、全体的にクレオパトラ贔屓が過ぎるきらいがあります。周囲の人物の素晴らしさ、歴史に遺した功績を軽んじられている気がします。オクタヴィアヌスの人物描写では、功績の欠片も感じられません。オクタヴィアヌスが、こんなに狡猾一辺倒に描かれるとは・・。

歴史小説というより、肉感的クレオパトラ像を楽しみたい時にお勧めです。

宮尾せんせーい、頼みますよ!1
嗚呼(涙)。
宮尾作品を全て所蔵し、読後は必ず脳内会話が「宮尾調」になり、文章は文語っぽくなる私ですが。
これは失敗でしょう。駄作、と言っても良いかもしれません(涙)。
宮尾文学の特徴である語り口、女性の描き方がクレオパトラとは超ミスマッチ!
なんだか「クレオパトラ」という題の浪花節を聞いた感じです(涙)。

また、これは言いたくなかったんですが、「蔵」からこっち、「天涯の花」「仁淀川」と、お年のせいかかなり文章力が衰えておられます。
宮尾先生独自の丹念な書き込みを、一字一字彫り込むように読み上げるのが楽しみだったのに、最近の作品は体力が落ちたのか、「プロットのまんまー」発表されている印象です。「蔵」は盛り上がるだけ盛り上がって、後半はいきなり「あらすじ」で終わってしまうし。
「天涯の花」は全体がプロットでできている感じで食い足りない。
「仁淀川」は物凄い期待で読んだのですが、これまた掘り下げ不足。「櫂」くらいの書き込みがあっても良い内容なのに・・・。
なんだか”薄さ”が林真理子に近づいているような。大大大ファンとしては悲しくてなりません。
でも、もうお年もお年で、まだお元気で書いてくださっているだけでも感謝しないといけないのでしょうね。
作家、画家、音楽家、舞踊家、料理人、どんな職業でも年齢による衰えは避けられません。
肉体を酷使する舞踊家などのピークが早いのは勿論、料理人も50代を過ぎると味覚が鈍くなったりしますもの。
作家と画家は比較的息が長いように思いますが、やはり60代がピークなのでしょうか。

でも宮尾先生、まだまだ私はついて参ります。ゆっくりでいいですから、寡作でも我慢して待ちますから、宮尾文学ここに有り!な作品をお願い致します!
ちなみに、「義経」「宮尾平家」は読んでません・・・辛くて(涙)。

クレオパトラは普通の女の子?4
カタカナの、しかも短くない名前の登場人物がたくさん出てくるので、
はじめは、正直、読みすすめられるか心配でした。

でも、読み始めたら、クレオパトラという、歴史上の、しかも古代エジプトの
女王が、とても身近に感じました。
歴史文学、として読むにはどろどろしています。
ピラミッドの壁画のように2次元のイメージのクレオパトラが3次元のイメージになる、生き生きと、あたたかい体温を持った一人の女性として、その吐息を感じられるように描き出す、宮尾登美子さんの筆力に圧倒される作品です。