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顔のない裸体たち (新潮文庫)

顔のない裸体たち (新潮文庫)
By 平野 啓一郎

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  • 発売日: 2008-07
  • 版型: 文庫
  • 194 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
地方の中学教師・吉田希美子が出会い系サイトで知り合ったのは、陰気な独身公務員・片原盈だった。平凡な日常の裏側で、憎悪にも似た執拗な愛撫に身を委ねる彼女は、ある時、顔を消された自分の裸体が、投稿サイトに溢れているのを目にする。その時、二人は…。人格が漂流するネット空間を舞台に、顰蹙の中でしか生きられない男女の特異な性意識と暴力衝動に迫る衝撃作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
平野 啓一郎
1975(昭和50)年、愛知県生れ。京都大学法学部卒。’99(平成11)年、大学在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

誰もが感じたことのあるはず。この感覚。4
匿名が確保されたネット世界の中で、衆人環視のもとでの「普段のわたし」から遊離した「(ネットでの)わたし」を考察して小説化した意欲作。
誰もが覚えがありますよね。匿名性が確保された場面では、普段の自分とかけ離れた行動する自分を感じるときが。
普段は周囲との協調を大事にするとされる日本人が、知人友人がいない場面のおいては途端に利己的になるという観察研究を読んだことがあります。
では「(ネットでの)わたし」はさらに分裂しないのか・・・?と言う問いに対しては
近著「決壊 上巻」の中で展開されています。
興味ある方にはおススメです。

小説を組み立かたが見えた!?4
平野さんにとって、
ネットに溢れている、
顔を出さずに卑猥な行為を露出する、
いわゆる“けっこう仮面”な人たちは、
謎だったのだろう。

そのわけのわからなさを、
理解するために書かれた小説、
というような感じがした。

「哲学をしたければ小説を書きなさい」
そんなことを言った人もいたけれど、
ふつうに暮らす、
ごくごくありきたりな人が、
なぜ、「そんなこと」をしてしまうのか。
ひとつの思考実験として、
堕ちていく過程が小説として描かれている。
(語り口も「観察日記」のようだ)

平野流「けっこう仮面ができるまで」。
内容よりも、一所懸命に、
理解をしようとして考えている姿勢に感心してしまった。

優等生の風俗小説2
「投稿写真」や「週刊実話」なんかの下世話な雑誌が好きな人には、
新鮮味のない変態カップルのお話です。
それにテレビのコメンテーターを務めるような紋切り型の精神科医的考察を加えて、
さらに、ネット社会に対する新聞なんかで良く見る様な批判を混ぜ合わせたらできあがったというような作品です。
独自の視点が感じられないし、ストーリーにも意外性がなく、
ポルノとして読むには即物的過ぎる。
主人公の男が変態的にしか女性と関係をもてない事の理由が過去の学校でのトラウマに求められるのも、安易過ぎる。
現在の環境なども、もっと掘り下げて描くべきだった。
批判ばかり書いたが、あえて良い点をあげるとすれば、
この小説を2,30年後の人が読めば「昔の日本の性とメディアはこんな風だったのか」と一目で分かるということぐらいだろうか。
あえて現代に読むべき小説ではないし、
平野啓一郎氏のような作家が書く必要もなかった小説だと思う。