国銅〈下〉 (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #10915 / 本
- 発売日: 2006-02
- 版型: 文庫
- 447 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
華やかな奈良の都で、国人は大仏造営の作業に打ちこんでいた。ともに汗を流す仲間たちと友情を築いた。短き命を燃やす娘と、逢瀬を重ねた。薬草の知識で病める人びとを救い、日々を詩に詠む。彼は、確かな成長を遂げていた。数え切れぬほどの無名の男たちによって、鉱石に命が吹き込まれ、大仏は遂に完成した。そして、役目を終えた国人は―。静かな感動に包まれる、完結篇。
カスタマーレビュー
素晴らしい
文句なしに素晴らしい作品です!
老若男女問わず、たくさんの方に読んでいただきたい。
帚木さんの作品にはほぼハズレがなく、どれを読んでも面白いのですが
「国銅」はその中でも歴史ものとして一味違った魅力があります。
奈良の大仏さんを建設する話なんですが、誰でも一度は
「あんな昔によくあれだけ立派なものが作れたよなあ」と歴史の時間に驚いた経験があると思います。
そのオドロキの裏側を垣間見れるというか、史実を実に鮮やかに色づけしてくれてるというか。
胸がしめつけられるほどの苦しいエピソードや悲しい別れ、涙誘われるやりきれなさも随所に出てきますが、
決して不快にはなりません。
とにかく主人公が勤勉でマジメで実直で、でも嫌味ったらしくない、稀有な光を放っています。
歴史上の有名武将や剣士ばかり取り上げている大河ドラマで、ぜひこの作品をドラマ化してもらいたい。
素晴らしい。それしかいえないぐらい感動しますよ!
素晴らしい作品
「人は死んでもほかの誰かの心のなかで生き続ける」という考えはあまり好きではなかったが、本書を読み終えて、いくばくかの真理が含まれているかもしれないと思うようになった。
奈良の大仏造りに従事する人足、国人(くにと)の出会いと別れを繊細な筆致で描いた作品。緻密な構成と情感豊かな表現力は、雰囲気だけで浅薄なきれいごとを並べるだけの流行小説作家とは一線を画している。
おそらく膨大な資料を下敷きにしているのだろうが、帚木氏の力量はそれらを巧みに文学として示し、読んでいて倦むことがない。素晴らしい。
国人は多くの人々と出会い、その魂を受け継ぎ、過酷な生を懸命に生き抜く。決して人生に絶望しない。悩み、苦しみ、字を学び、詩を読み、病者を助け、同胞を慰撫し、女を愛す。人間の生はこうあらなければならないと思った。
『一隅を照らす』
『 人はなにを学んできたか、です。境遇や地位や貧富貴賎にかかわらず… 』
上下巻のすべてのストーリーは さりげなく語られるこの一文に凝縮される。
彫り残された岩壁に文字を彫る…それにかかりきりになるわけではなく…糧を得る仕事を続けながら、
仕事が早く終わった時に…、休みの時に… これが国人です。
これが普通の人の普通ではない使命感です。
やはり、この物語にヒーローはいません。必要ないんです。
人ひとりの真摯な生き方そのものが英雄伝なんです。
国人を 景信に、絹女に会わせてやりたかったなぁ…と思います。
『一隅を照らす』という言葉があります。
これは仏が「まわりから省みられない人たちに目を向ける」という受け身な意味ではありません。
自らが輝くことで生を全うする、まわりの人たちに影響を与えるという積極的な意味です。
この本は それを、それだけを語っています。




