いっぽん桜 (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #97764 / 本
- 発売日: 2005-09
- 版型: 文庫
- 330 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
仕事ひと筋で、娘に構ってやれずにきた。せめて嫁ぐまでの数年、娘と存分に花見がしたい。ひそかな願いを込めて庭に植えた一本の桜はしかし、毎年咲く桜ではなかった。そこへ突然訪れた、早すぎる「定年」…。陽春の光そそぐ桜、土佐湾の風に揺れる萩、立春のいまだ冷たい空気に佇むすいかずら、まっすぐな真夏の光のもとで咲き誇るあさがお。花にあふれる人情を託した四つの物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山本 一力
1948(昭和23)年高知県生れ。東京都立世田谷工業高校電子科卒業後、様々な職を経て、’97(平成9)年『蒼龍』でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。2002年、『あかね空』(文藝春秋)で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
無用なプライドと真の矜持
山本一力さんは食いしん坊に違いない。「萩ゆれて」のカツオのたたきが実においしそうだ。「そこに、すいかずら」の桜湯も、香りがふんわり届いてくるようだ。商家の暮らしを中心に、人間の強さを描いた4作品。「いっぽん桜」と「芒種のあさがお」は、花が作品の軸となって感動を誘う。
時間の流れに強弱があり、山本作品独特のテンポ感をだす。
嫁姑の問題がときどき顔を出す。作者も苦労してるのかも。
温かみのある作品
12歳で丁稚小僧で井筒屋に入って42年。頭取番頭にまでなった
長兵衛だったが、息子に家業を譲ることになったあるじから、自分と
一緒に店から身を引いてくれるよう、切り出される。突然の言葉に
長兵衛は・・・。表題作を含む4編を収録。
「いっぽん桜」のほかに、武士の暮らしを捨て新たな道を歩み始めた
男を描いた「萩ゆれて」、人情や親子の情愛を描いた「そこに、すい
かずら」、朝顔作りの職人のもとに嫁いだおなつを描いた「芒種の
あさがお」が収録されている。この中で一番印象に残ったのは「いっ
ぽん桜」だ。エリートだった人物が突然リストラされた・・・。現代
でも珍しくない話だ。いつまでもエリートだったというプライドを捨て
きれない長兵衛。新たな勤め先では摩擦が生じるが、人情に触れる
うちにだんだんと心を開いていく。一人の男の心の揺らぎや変化を
実に細やかに描いている。人の心を開かせるのは、人の心だ。どの
話も心にほのぼのとした思いを残す。温かみのある作品だった。
短編4話
この著者の本を初めて読みましたが、読みやすい時代小説でおもしろかったです。
商人や漁師など登場場人物がさっぱりとして粋で、いきいきとした町の様子も
伝わってきて、数百年前の歴史の町中を散歩している気分でサラリと読めました。
読後、心がほっとする本です。
ただ私には、作者紹介のスーツを着ている笑顔の写真が、本の時代に集中して
入り込むのに妨げになりました。




